妻のアイデアと夫の技術の集大成

こうして、「ときここち」はいくつもの試作品を経て、2018年の秋に完成。

ただのステンレスの棒だった1号から格段の進化を遂げた5号には、パッと見ただけではわからない細かな工夫が各所に施された。温かみが感じられる丸みを帯びた形、持ちやすさや使いやすさにつながっている重量バランスの良さ、本体が湾曲しているのでテーブルに平置きしても手に取りやすい……などである。

あまりの出来の良さに「これは商品になる」と思った利根さん。じつは、涼子さんは、最初から商品化を考えていたわけではないものの、頭の片隅に「会社が危機であること」「夫が『いつか人の役に立つ自社製品を作りたい』と言っていたこと」があって発案したのだという。