「中国共産党のイラン版」
現在の政府予算においても、石油・ガスの輸出収入の50%以上が、直接革命防衛隊や治安機関に配分されている。国民の富が、国民のためではなく、体制を維持するための武力と利権に直結しているのだ。
なぜ宗教的イデオロギーを掲げる組織が、これほどまでに卑俗な利益追求に走るのか。
そこには、「革命を守るための活動資金を自ら稼ぎ出す」という欺瞞に満ちた正当化がある。やがて組織の維持、構成員への報酬、そして政治的な影響力のすべてが利権と不可分になり、誰にも止められなくなる。これはカトリック教会の免罪符販売から、現代の権威主義国家の構造に至るまで、歴史が繰り返してきた「腐敗の様式」である。
私たちは「革命防衛隊」という名称に惑わされるべきではない。彼らの実態は、軍服を着た巨大企業群の経営層であり、「中国共産党のイラン版」と解釈し直したほうが事態を適正に捉えられそうだ。
石油・水・通貨を収奪するメカニズム
革命防衛隊が国民から富を吸い上げる装置は、主に「石油」「水」「通貨」の三つに集約される。
第一に「石油」だ。ハタム・アル・アンビヤは、競争入札という透明な競争プロセスを無視し、国家の主要プロジェクトを独占受注し続けてきた。アサルイェ・イーランシャフル間の巨大ガスパイプライン建設では13億ドルの無競争契約を獲得し、世界最大級のサウス・パルス・ガス田開発でも数十億ドル規模の契約を独占した。
これらの工事では工費が不自然に水増しされ、どれほど粗悪な工事であっても、革命防衛隊という聖域に監査の手が入ることはない。こうして得られた膨大な石油収入は、国民の生活水準向上に使われるのではなく、組織の維持費、そしてヒズボラ、ハマス、フーシ派といった親イラン武装勢力への軍事支援、年間推計11〜15億ドルへと消えていく。
第二に「水」である。革命防衛隊は今や「水マフィア」と呼ばれるほど、水インフラを利権化している。1992年に設立されたダム建設専門部門「セプサド」は、環境アセスメントを完全に無視し、各地でダムを乱造した。革命前にわずか20基余りだった大規模ダムは、今や数百基に増え、イランは世界第3位のダム建設大国となった。
