「絶対に幸せになれる新婚生活」のはずが…

真剣交際に入ると、結婚生活について二人で話し合っておくべきことがある。住まいの場所、仕事の取り組み方、家事の分担、家計の分担、結婚式や披露宴、ハネムーン、双方の両親の介護……。結婚してから、「こんなはずでは」にならないための現実的な話である。

彼は彼女に言った。

「僕は一人暮らしが長いから、家事をやってもらおうなんて思わない。仕事もしたいならすればよいし、辞めてもかまわない。家賃も生活費もすべて僕が負担するから心配しないでほしい」

この言葉に、彼女は結婚を迷う理由がなかった。二人は、絵に描いたような美男美女のお似合いのカップル。婚約指輪は、ハリー・ウィンストン。彼女の友人たちからは、たいそう羨ましがられたという。幸せで、経済的にも安定した申し分のない暮らしが約束されていた。

手をつないだ男女
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結婚相談所のお見合い結婚は、プロポーズを受けた時点で成婚退会となり、それからの新生活に入るまでも非常に早く進み、退会後2~3カ月程度で二人の暮らしが始まる。彼女たちも同様に、プロポーズから2カ月後には、新居を決めて、新生活をスタートさせることとなった。

絶対に幸せになれるはずの新婚生活だったが、同居の直後から理想の生活は少しずつ崩れていった。

夫の変貌ぶりに言葉を失う

最初の違和感は、住まいの場所から始まった。彼の会社からの通勤などを考え、東京汐留の賃貸マンションを彼が決めてきた。都心だけあって、賃料は高い。

彼の所得が高いとはいえ、1LDKの家賃は40万円を超える。経済観念の高い彼女からすれば、いくら交通至便とはいえ、毎月40万円あったら将来に備えた貯金もできるし、場合によってはローンを組んで住宅も購入できるのではないかと思った。

彼女は、思い切って「もう少し都心から離れても家賃が安いところでも良いんじゃない?」と意見を言ってみた。すると、彼から驚くべき言葉が発せられたのだ。「これからは二人で家賃を払うんだし、通勤に便利なところがいい」

この言葉に、彼女は心底驚いた。そもそも家賃も生活費も負担すると言ってくれたばかりだった。それに、仕事を続けてもいいし、専業主婦になっても良いと言っていたはずなのに……。

彼の変貌ぶりに、言葉を失い、茫然自失した。彼が考える新生活は、二人で生活費を折半して、都心の便利な場所で生活したいというのだから。家賃や外食費、光熱費、食費、日用品など二人のものは、彼と彼女で6対4の割合で出し合うという提案が彼からあった。

彼女の負担額は、彼女の年収からはとても捻出できる金額ではない。