サムライが乗っていたのはポニーくらいの小さな馬

この現状を猫に置き換えるなら、尻尾の短い和雑種や、招き猫のような三毛猫が絶滅危惧種となって動物園で保護され、ちまたはペルシャ猫やアメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、ロシアンブルーといった舶来猫に席捲せっけんされてしまった、という感じだ。犬の場合は、馬と近いものがあるかもしれない。私は猫に関しても和雑種を偏愛するので、動物に関しては割と愛国主義者といえる。

本物のサムライが生きていた時代、彼らが乗っていたのはポニーくらいの小さな在来馬だった。黒澤明の『影武者』や『七人の侍』、そしてハリウッド映画の『ラスト サムライ』などに登場する、秀麗なサラブレッドにまたがる武者は、完全に虚構なのである。

南相馬市博物館の展示
撮影=星野博美
南相馬市博物館の展示。農耕馬は首や胴が太く、洋種馬の特徴がみられる。このような農耕馬がたくさん野馬追に出場していた時代があった。

日本の馬はなぜ消えたのか

なぜ日本在来馬は消えてしまったのか? 原因は戦争だった。