20年で約858万円の赤字

一方、仮に2割の支出削減をしなかった場合、65~69歳は毎月5万1287円、70~74歳は同3万7245円、75歳以上は同2万7225円の赤字が続きます(図表1参照)。この数字に基づき、65歳からの20年間の赤字の総額を試算すると、約858万円です。

収入を増やしたり、貯蓄を切り崩したりしながら、この赤字をまかなわなければなりません。医療費や介護費、住宅リフォーム代などがかさめば、さらに数百万円が必要となるでしょう。

私たちは「老後に必要な資金はいくらか」と聞かれたとき、生活費を補填するお金に加え、娯楽や医療・介護、住宅リフォームなどの臨時支出に対する予備費として、夫婦で1000万円ほど準備しましょうと伝えています。

通帳を見ている親子
写真=iStock.com/kazuma seki
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さらに20年分の赤字約858万円を加算すると、少なくとも1858万円以上は準備したいというのが私たちの試算となります。

老後資金は3000万円が目安

ちなみに、かつて世間を騒がせた「老後2000万円問題」は、家計調査の高齢者の赤字の平均額が夫婦の場合に毎月5万5000円ほどあり、30年分で計算すると約2000万円になるという話でした。

これに予備費の1000万円を加えると、老後資金は3000万円ほど必要とも考えられます。

一方、収入の柱となる「年金」の受給額は働き方や加入期間により大きく異なります。先の表(図表1)にある65歳以上の社会保障給付は21万3731円。これは平均的な数字ですが、じつはご自身がどれくらいの年金を受け取れるか、全然把握していない方が少なくありません。

まだ受給年齢に達していなくとも、年金加入の実績を記す「ねんきん定期便」を見れば、50歳以上の方は具体的な受給額がわかります。それにより、老後の生活費の使い方も検討しやすくなります。