カリフォルニアで共和党員が増加
たとえば、民主党の牙城であるイリノイ州で、民主党有権者の割合が2020年の43%から2026年に38.51%まで落ちたと、データ分析企業のL2とIVPの分析が明らかにしている。
同じく、民主党支配が強固な西部のカリフォルニア州においては、2020年から2026年の間に、共和党員が47万376名も増えている。同時期に民主党員の数も21万1023名増加したものの、2020年から2024年の間に民主党から離党した人の数が68万556名にも達しており、純減である。
なお民主党は、オフイヤーである2025年と2026年の地方選挙や補欠選挙で快勝を続けている。だが、「民主党候補が2桁の得票率の差で勝利」などという報道に関しては、そもそも圧倒的に民主党が優勢なところであったり、当該選挙の投票率が極端に低かったり、民主党お得意の「郵便投票」が勝敗を決した場合がほとんどという面もある。
加えて、物価が高く税負担の重いカリフォルニアやニューヨーク、イリノイやマサチューセッツなどの民主党州から大規模な人口流出が起こり、物価が比較的安く暮らしやすいフロリダ、テキサスやサウスカロライナ、テネシーなどの共和党州に流入が増えていることも、民主党からの離党が増加していることと表裏一体の現象かもしれない。
同様の現象は、言論空間においても見られる。ケーブルニュースの視聴率で、保守派のFoxニュースが2025年通年平均で前年比11%増の265万人に視聴されたのに対し、リベラル競合のMS NOW(旧MSNBC)は92万人で15%減、同じくリベラルのCNNは16%減の57万人にとどまった。
なお、イラン戦争が始まった後の2026年4月に、Foxニュースは286万人、MS NOWが126万人、CNNは91万人となり、リベラル系ニュースが大きく盛り返しているが、Foxニュースもむしろ増加している。
イラン戦争はあと数週間で終わる
もちろんトランプ氏の不人気は間違いない。筆者が個人的に話した米国人から受けた印象でもその傾向は明らかである。特に物価対策とイラン戦争は大失敗だと思われている。
しかしそれが、「中間選挙での民主党圧勝」に直結するかどうかは未知数だということだ。
11月の中間選挙では、有権者がインフレやイラン戦争への不満からトランプ大統領の公約違反を罰し、民主党は下院を奪還する可能性が高い。
だが、下院で過半数による訴追が成功しても、大統領の免職には上院で3分の2以上の賛成が必要だ。今のところ、共和党は53名の上院議員を擁している。対する民主党は現在、無所属2名を含む47名の上院議員がいる。ところが定員100名の上院は下院と違い、選挙ごとの改選数が3分の1の33~34議席に制限されている。上院でも弾劾を成立させるには、民主党は中間選挙で最大22議席を獲得するか、共和党の造反者を大量に確保しなければならない。それは、ほぼ不可能に近い。
民主党によるトランプ弾劾や解任まで進む可能性はあまり高くないのではないか。
過去10年間のパターンから見ても、世論調査は「民主党寄り」になりすぎて外れることが多い。実際の選挙結果はむしろ有権者の民主党離れと整合する傾向がある。
こうした中、民主党を離党した人の多くは、共和党支持にもなれず、無党派が激増している。
そうなると、困るのはイランだ。イラン革命防衛隊は民主党の中間選挙圧勝で「トランプ大統領の弾劾・解任」に期待しているが、それが起きないとなると、イランが戦争で粘る意味が薄れることになる。
イラン経済の4割を掌握する革命防衛隊の最重要目的は、その国内権力基盤および利権の維持である。米軍によるホルムズ海峡の逆封鎖でイラン国内のインフレや失業が悪化していることを考えると、イランはトランプ大統領と「ディール」すべき時期に来ているとも考えられる。その場合、米軍による攻撃再開など紆余曲折があったとしても、この戦争はあと数週間で終結すると見るのが妥当ではないだろうか。

