絶望的なまでの不人気の理由

とはいえ、本当に「民主党勝利によるトランプ降ろし」が実現するかは不透明だ。

その理由は、絶望的なまでの民主党の不人気ぶりにある。

米国においてはいまもなお民主党アレルギーが強い。不人気の理由は、移民促進やグローバル化による自由貿易、地球温暖化防止のエネルギー政策や過度の多様性重視など、意識の高いエリート層が庶民にゴリ押しして拒絶反応を引き起こした一連の政策だ。

各種世論調査で「トランプ不支持」が示されてはいるが、有権者の所属政党登録データは、過去10年間ずっと、民主党からの大量離党が続いていることを示している。この有権者の所属政党登録データは実際の投票行動と非常に強い相関関係があるため、選挙結果に直結するデータとして注目される。

たとえば、最も重要な激戦州のひとつである東部のペンシルベニア州では、2020年から2024年の間に民主党を離党した有権者の数が34万2904名に上っている。一方、共和党は同時期に10万9349名の党員を獲得している。

トランプ大統領が就任後に、相互関税政策や不法移民摘発を実行し、世論調査で支持率が急落し「オウンゴール」となったが、その時期を含む2024年10月から2025年10月までの時期においても、民主党はペンシルベニア州で15万8000名もの党員を失っている。

なお、イラン戦争の期間を含む2025年11月から2026年5月までの期間には民主党で2万69名の党員数増加がある一方で、共和党員が1797名減少した。とは言え、長期的な民主党の不人気の傾向は変わっていないように見える。

実際に、ペンシルベニア州における民主党の共和党に対する党員数の優位は2008年の123万6513名、2012年の104万594名、そして2016年の91万6274名から、2020年には68万5818名、2024年に28万1091名、そして2025年に17万608名へと激減している。

民主党員は210万人も減少

トランプ政権の失策で共和党も党員数を落としているため、直近の2026年5月にその差は18万8381名まで盛り返しているものの、同州の民主党は、①党員数、②登録済み党員数の共和党に対するリードという両方の尺度において、長期的な党勢衰退に陥っている。

この「第1次オバマ政権がスタートした2009年から第2次トランプ政権発足の2025年までの16年間にわたる決定的な退潮」は、民主党全国委員会(DNC)が5月21日に公表した、2024年の大統領選挙の敗因検証報告書でも明らかだ。この期間にライバルの共和党は13の米上院議席と41の米下院議席を獲得し、新たに5州で共和党知事を誕生させ、全国の州議会で合計832の議席を増やしたのである。

伝統的に民主党が支配している南部ノースカロライナ州の上院議員選挙戦では、民主党所属の前州知事で知名度抜群のロイ・クーパー氏が9ポイントもリードしている。だが、そんな同州でも民主党の衰退により、共和党員として登録した有権者の数が2026年に初めて民主党員を上回った。

2020年から2024年の間に同州で民主党を離党した有権者の数は8万7779名に上っている。一方、同時期に共和党員は2万8397名の純増であった。

これは、激戦州のみの傾向ではない。米ニューヨーク・タイムズ紙がデータ分析企業の米L2による分析を基に2025年8月に報じたが、有権者登録に所属政党データを取り入れている31州すべてで、2020年から2024年の間に、民主党員の減少と共和党員の増加が記録されていた。民主党員の減少は総計で210万人にも上る一方、共和党は240万人の党員を獲得している。政党別の有権者統計をとっていない中西部のミシガン州、ウィスコンシン州、オハイオ州やイリノイ州、南部バージニア州、ジョージア州やサウスカロライナ州など、残り19州においても民主党員の推計数は減少中だ。

民主党員は210万人も減少
写真=iStock.com/Torsten Asmus
民主党員は210万人も減少(※写真はイメージです)