「さすがに高すぎ」公正取引委員会からメス

マンションは世田谷区池尻にある3LDKのもので、当時の価値は620万円、スポンサーが負担する相続税込みで1000万円相当と言われています。

徳久倫康『クイズの戦後史』(平凡社新書)
徳久倫康『クイズの戦後史』(平凡社新書)

番組では毎回タレント1名と視聴者10名が参加して1人の勝者を決め、勝者が集う決勝大会で優勝するとマンションをもらえるという仕組みになっていました。

ただ、さすがに高額すぎる賞金に目をつけられ、放送期間中に公正取引委員会から独占禁止法の定める「不公正競争」にあたるという指摘が入ります。

改善が見られない場合は中止勧告を出すという強硬な姿勢が示されたため、同じ内容で放送を続けることはできず、10人の勝者でマンションを共同所有するという解決策が取られました。

このマンションは賃貸に出し、家賃を10人で配分することになったそうです。

ロンドン、ハマースミスのアパートメント
写真=iStock.com/georgeclerk
※写真はイメージです

100万円以上の賞金は禁止された

規制強化の流れは止まらず、公正取引委員会は規制案の策定に取り掛かります。これに対してテレビ業界は表現の自由を根拠に、法的規制ではなく業界の自主規制に任せるべきというロビー活動を展開しました。

最終的に1971年には公正取引委員会による「オープン懸賞告示」が施行され、新聞・雑誌で1人あたり100万円以上の賞金額の懸賞広告を禁じることが決まります。

テレビ業界は思惑通り直接の法的規制からは外れていましたが、民間放送連盟によって「1人あたり最高賞金100万円相当」という自主規制基準を導入して対応しました。

これにより、当時放送されていたインフレクイズ番組は、軒並み賞金額の見直しを迫られることになりました。この規制が緩和されるのは25年後、1996年のことです。

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