購入段階でも、大いに役立つ
なお、その投資目的の候補としては、配当金(高配当利回りだから)や株主優待(株主優待が魅力だから)以外にも、「事業の強みに惹かれたから」「増収増益を続けているか」「株価が割安だから(例:PBRが1倍を下回っているから)」などが考えられます。
もし、タマホームの強みであるローコスト住宅に惹かれて投資をしたのであれば、その強みがなくならない(と判断している)限り、配当金が減らされようが、株主優待が廃止されようが、業績が悪化しようが、持ち続ければよいでしょう。
もっとも、私個人的な見解としては、昨今の物価高・人材不足を鑑みれば、ローコスト住宅を貫くことは厳しく、近いうちに、その強みは方向転換せざるを得ないのかな、とは思ってはいます。ですので、もし、私がローコスト住宅という強みをもってタマホームを買っていたなら、いまごろは売っている可能性は高いかと思います。
いずれにせよ、「投資目的がなくなったときに売る」ということは、逆に言えば、その投資目的がなくならない限り、ずっと保有し続けることになります。
すなわち、その銘柄とは一生付き合うかもしれないわけですから、おのずとその購入段階で、しっかり吟味する(勢いや気分に任せた、雑な選び方を避けることができる)ことでしょう。
精神衛生上の、計り知れないメリット
もっとも、この「投資目的がなくなったときに売る」ことによって、その運用成績が向上する、儲かる確率が上がるというわけではありません。この方法(考え方)の効用は、あくまでも、精神的なものです。
前述のとおり、大きなストレスのかかる売り時において、その判断すべきポイントが明確となり(視点がハッキリすることで)、納得した判断を下せるようになることは大いにストレス軽減となり、その精神衛生上のメリットは計り知れないはずですから。
私自身、かつては、「この銘柄、いいな」程度の意識で、とくに投資目的を持たずに購入することが少なくありませんでした。
なので、その購入後に、利益の下方修正やら減配やらで株価が下落すれば、これはもう売ったほうががいいのかとオロオロし、また、株価が高騰したらしたで、このタイミングで売ったほうがいいのかと、やはりオロオロしていました。
つまり、その状況が大きく変化するたびに大きく狼狽え、しんどい思いをしていたわけです。
しかし、この「投資目的がなくなったときに売る」ことを意識するようになって(投資目的をしっかり意識して購入するようになって)、たとえ状況が大きく変化しても、その状況を投資目的と照らし合わせ、その売り時を冷静に考えることができるようになり、精神的にグッと楽になりました。
売り時に悩むことの多い人にとって、この方法が1つの解決策として参考になれば幸いです。

