クリーニングもコンビニ弁当も…
それでも移民は受け入れないというならば、現在の生活水準が劇的に下がることを日本社会として受け入れるかどうかを決断する必要がある。クリーニング店に出せば早ければ翌日に仕上がってくる洗濯物の工場は、猛烈な熱さの中で働く過酷な環境だが、ほとんどを外国人労働者に頼っている。この環境で働く日本人を雇用するにははるかに高い賃金を提示しなければ集まらないだろうし、それでも過酷な労働に耐えられるかどうかは分からない。当然、サービスに時間がかかり、さらに料金も大幅に高くなることを覚悟しなければならないだろう。
午前中には何種類も並んでいるコンビニ弁当の惣菜を詰める工場の作業員も多くは外国人だ。深夜から早朝まで働く労働は決して楽ではない。そこに外国人労働者がいなかったならば、便利さは失われるか、便利さを追求するための商品の金額は大幅に上昇することになるだろう。これまで当たり前だと思ってきた便利さと決別するのか。
良き隣人になる移民は受け入れるのが世界の主流
不法滞在や就労、日本の公的サービスの不正利用といった不良外国人の問題が大きく取り上げられる。イギリスなど世界の先進国でも「不法移民」に対する抗議行動が起きているが、それはあくまで「不法移民」であって、自らの良き隣人となる移民は受け入れるという人たちが主流だ。移民に反対する人たちは、この不法移民と、真っ当な移民を意図的に混同して問題化している傾向がある。
出生数が70万人まで減る中で、サービスだけでなく、コミュニティを維持する上でも、移民を真正面から考える。今回の特定技能問題で見える課題は氷山の一角に過ぎない。

