スマホ注文、ロボット配膳でも人が足りない
こうした事態に、外食産業の現場からは悲鳴が上がっている。外国人を規制したからといって日本人が働いてくれるわけではない。かつては外国人労働者は「低賃金の労働者」という感覚があったが、「今や日本人と給与は同等だし、社宅などの用意もするのでコストは決して低くない」(前出の支配人)。要はお金の問題ではなく、とにかく人が足らないというのだ。
コロナ前までは居酒屋に行くと中国人留学生が対応するというのが定番だったが、今や中国人留学生は居酒屋では働かない、という。居酒屋のような重労働の職場は敬遠され、観光客の受け入れなどよりホワイトカラーに近い仕事を選んでいるという。何より中国人留学生が経済的に豊かになったこと、さらに円安で賃金が外国人から見て魅力的でなくなったことが大きい。
最近は、居酒屋はスマホなどを使った注文が主流になり、配膳もロボットが行うようになるなど、人手が大きく削られている。それでも店を回すのに十分なスタッフが確保できないという。ちなみに働いているロボットの多くも中国製だ。
緩和に動けない霞が関の事情
外食店での皿洗いといった裏方の仕事はほとんど外国人が占めている。中国やベトナムではなく、ネパールやパキスタン、ミャンマーなど、より自国内の賃金が安く、日本の重労働で比較的高い賃金を稼ぐことに意欲がある途上国の人たちが主流になっている。
このまま受け入れが停止すると、外食企業の人手不足倒産の増加などに直結しかねない。すでに業界からは5万人という上限の見直しを求める声が上がっている。
だが、そう簡単に霞が関は緩和に動けないと見られる。2025年11月に発足した高市早苗政権では、外国人政策に厳しい姿勢を見せているからだ。外国人の在留資格審査の厳格化や、永住・帰化の要件の引き上げなどを打ち出している。今後、無期限で在留できる「特定技能2号」の審査などもより厳格化される可能性もある。つまり、外国人労働者を増やすという政策にブレーキがかかっていく可能性が高いのだ。

