1枚だから「見える化」できる
このように紙1枚にまとめることで家計全体を一目で見わたすことができます。これが家計の「見える化」です。
収支を計算して足りないとなった場合には、予算の修正を行います。家計簿の場合は使い終わってから考えるのですが、この紙1枚やりくり表の場合は使う前に対策を打つことができます。
また、紙1枚に書き出すという作業を通して、思考を整理することができます。紙に書くことで、数字を“感覚”として捉えられるようになり、頭の中だけで考えるよりも、家計の状況を把握することができるのです。
そして、家計簿よりも続けやすいはずです。そもそも紙1枚やりくり表は毎日つけるというものではなく、最初に予算を立てるので、続けるという考え方自体不要になります。私はこの紙1枚やりくり表は家計の設計図だと思っています。家を建てる前に設計図を作るように、家計においても使う前に設計図をつくるべきではないでしょうか。
「価値ある支出」が見えてくる
多くの人が目指すのは「貯まる家計」でしょう。しかし実は、それだけでは不十分です。お金を貯めることを目的にしてしまうと、貯まれば貯まるほど逆にお金を使えなくなります。
教育費、自己投資、家族の思い出……。こうした「価値ある支出」を削ってしまうと、人生の満足度は下がってしまいます。
私が目指しているのは、「貯まる」だけでなく「使える」家計です。そのためには、使っていいお金を明確にすることが重要です。紙1枚の家計管理では、あらかじめ「ここは使う」と決めておくことができます。たとえば、
・子どもの教育費には毎月3万円使う
・家族旅行には半年で10万円使う
・自分の学びには毎年5万円使う
こうした方針を持つことで、お金が「使うために貯める」ものになり、家計の現状を把握することができます。結果として、お金に振り回されるのではなく、自分でお金をコントロールしている感覚が持てるようになるのです。
我が家は8人家族です。子どもたちの学費など支出も多く、ともすると管理が複雑になりがちです。しかしだからこそ、家計のしくみは極限までシンプルにしています。細かく管理しようとすればするほど、破綻します。重要なのは、貯まる“しくみ”です。「貯まる家計はしくみづくりが9割」だと思っています。

