2018年に劇的変化 飲酒長寿論が否定された

酒は百薬の長――そんな言葉を聞いたことがあるでしょう。酒は100種の薬より勝るという意味ですが、これは紀元前の中国で、酒の専売制による税収を増やすために作られたキャッチコピーだったともいわれています。

百薬の長とはいわないまでも、2010年代の後半までは、ごく少量の酒なら飲まない人より死亡リスクが低くなるという主張が幅を利かせていました。というのも、死亡率と飲酒量に関するグラフを作ると、日本酒1合未満の飲酒をしている人が最も死亡率が低い。いわゆる「飲酒のJカーブ」という研究結果があったのです。

ところが、18年に出た複数の論文によって流れが大きく変わりました。酒は少量であろうとも、飲めば飲むほど死亡率やいくつかの病気のリスクが高まるという論文が相次いで発表され、これまでの常識が大きく覆されました。

(構成=福光 恵)