見えないところにお洒落をする女性願望
そして、さすがは女性向けというべきか、このベースネットにもお洒落な遊び心が施されている。見えない裏側とはいえ、ネットが花柄になっていたりするのだ。
「最初は、ネットの柄を単に変えるだけの発想でしたが、女性のお客さまの反応がとても良かったんですね、『かわいい』と。きっと、こんなウィッグだったら試してみたいな、つけてみたいな、という心を動かすきっかけになったのかもしれません」
ここから柄へのこだわりが始まる。
「下着もそうですが、女性は見えないところにも、お洒落をしたい気持ちがありますよね。こうした取り組みを拡大したことが、女性のお客さまの拡大につながっていったと考えています」
大切な要素である土台となるベースネットは、その後、肌にやさしいシルクプロテインを配合したり、健康をキーワードにゲルマニウムを入れてみたり、さまざまな取り組みが好評を博していく。
高齢者からの切実な声でポイント改良
そして大切な要素の3つ目、装着方法にもアデランスは強いこだわりを見せてきた。
なんと今はワンタッチで自分の髪の毛に簡単につけることができる。つまり、乗せて軽く上から押さえるだけ。
「自社で開発した手法です。もともと両手でパチンと留めるやり方でしたが、女性モノはほぼすべて、ワンタッチで装着できます。お客さまが増えていく中で、いろいろな声をいただくことになりました」
切実な声があった。年を経て、腕が上がらなくなったというのだ。言われてみれば、そうだろう。高齢者にしてみれば、両手で頭の上のウィッグをパチンと取り付けるのは、なかなかの苦労である。
「やはりちゃんとした位置に留まらないと、見た目が不自然になります。では、何かいい方法はないか。ただ乗せて、押さえるだけで留められるものはないか、と考えて、2023年に『スマートタッチ』が生まれました」
表面の形状が不思議な構造になっており、これが見事に髪の毛にくっつく。
「だから、片手で簡単に装着できます」
