「生来の反戦主義者」も認めている

ちなみに、この栗山氏は、彼の30年ほど後に条約課長を務めた私の外務省の大先輩にあたる。1990年に発生した湾岸戦争の際に外務事務次官を務め、生来の反戦・平和・護憲主義ぶりが前面に出た事務指揮で悪名を残した。

自衛隊の部隊が国連平和活動に参加するために海外派遣されるにあたって、「いつか来た道」とばかりに警戒感を露わにし、自衛官の身分だけで海外に出ることに対して頑として首を縦に振らなかった人物である。

そんな戦後平和主義に毒され左傾化した人物が「一つの中国」について交渉記録を残し、中国による台湾の武力解放を許さないとの強い決意を表していることは特記されてしかるべきだろう。

引き金を引いたのは中国

以上、明らかなとおり、台湾が中国の不可分の領土であるとする「一つの中国」は中国側の独自の主張であって、日本政府として受け入れたことは一度もない。

山上信吾『高市外交の正念場 反日勢力との闘い、日本再生の分岐点』(徳間書店)
山上信吾『高市外交の正念場 反日勢力との闘い、日本再生の分岐点』(徳間書店)

しかるに、習近平の中国は武力の行使を辞さないとの姿勢を繰り返し明らかにしてきている。

今まで当然の前提であった台湾問題の平和的解決へのコミットメントが中国の軍事力増強とともに消失し、現状変更の貪欲な姿勢が前面に出てきた。

だからこそ、高市総理は存立危機事態にあたりうるとして、中国が冒険主義に訴えないよう、抑止力を効かせる必要がある。

繰り返すが、これが問題の本質だ。引き金を引いたのは中国なのである。この点についての論点ずらしを許してはならない。

日中首脳会談を前に、中国の習近平国家主席と握手を交わす高市早苗首相、2025年10月31日
写真=時事通信フォト
引き金を引いたのは中国(日中首脳会談を前に、中国の習近平国家主席と握手を交わす高市早苗首相、2025年10月31日)
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