鬼の首を取ったように喧伝して回った
むろん、事態認定イコール自衛隊の出動ではない。出動にあたっては、内閣として慎重な審議と意思決定が必要とされることは当然である。
しかるに、立憲民主党サイドは、中国共産党の猛烈な抗議を見ると、これに呼応し、鬼の首を取ったように問題発言だと喧伝してまわり、挙句の果てには総理答弁の撤回まで求める始末だ。開いた口が塞がらないとはこのことだ。
そもそも、なぜ日本が集団的自衛権の限定的行使を可能とする法制に踏み切ったのか?
なぜ、このような高市答弁が必要になったのか?
この点についての冷静な省察がまったく欠けている。
簡単な話だ。
中国が数十年来にわたる大規模な軍備拡張を行い、アメリカに次ぐ軍事大国に膨張し、今や国防費は公表されているものだけでも日本の4倍を軽く上回る実態がある。それだけでなく、軍備大拡張、装備の近代化につれ、南シナ海や尖閣諸島周辺、台湾海峡などで攻撃的な言動、振る舞いに終始してきたからだ。
「武力併合」を何度も口外してきた
ことに、台湾問題を巡っては、日中国交正常化以来、日本政府が口を酸っぱくして求めてきた平和的解決を横に捨て去り、「武力併合」を何度も口外してきたからなのだ。
こうした中国の行動こそが問題の源なのであって、平和安全法制や高市答弁はそれへの受動的対応であることをしっかりと踏まえなければならない。
そして、高市答弁はいざとなったら、存立危機事態に該当し、自衛隊が出動することがありうると明確に述べることによって、台湾海峡における中国の冒険主義的行動を抑止する効果を発揮したと指摘すべきなのである。
なんとなれば、台湾併合を目論む中国にとって、日米の介入こそが最も忌むべき展開だからである。

