アルコール依存を招くナイアシン不足

ナイアシンを語るうえで忘れてはならないのが、オーソモレキュラー療法の生みの親の1人であるエイブラハム・ホッファー博士である。

溝口徹『お酒の「困った」を解消する最強の飲み方』(青春出版社)
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博士が興味を持ったのが、幻覚や幻聴を訴える精神疾患(統合失調症)だった。「精神疾患には脳のなかの物質の変化がかかわっている」という仮説を立てた博士は、ナイアシンを中心とした治療が、統合失調症にたしかな効果を上げることを確認したのだ。

ナイアシンが不足すると、ペラグラ(消化管症状のほか、幻覚や妄想を訴える)という病気になる。そこでホッファー博士は、同じ症状を訴える統合失調症の患者さんにも、ナイアシンが不足しているのではないかと考えた。

それからホッファー博士は、統合失調症の治療にナイアシンを用いていたが、統合失調症でなおかつアルコール依存症の患者さんにナイアシンを用いると、アルコール依存の症状まで改善することがわかった。

大脳の前頭葉ぜんとうようには、ナイアシンの受容体(レセプター)がたくさんある。前頭葉とは、感情をコントロールしたり抑制したり、考えたりといった、人間にとって重要な働きをしている部位だ。

だから、ここにナイアシンのレセプターがたくさんあるということは、脳に対して直接的な働きをしているのではないかと私は考えている。

ナイアシンが不足していると、それを埋め合わせるかのように、アルコールによる依存につながる。逆に言えば、ナイアシンが十分にあれば、依存はなくなるというわけだ。

アルコール離脱のために常に使用

ナイアシンのアルコール依存症に対する応用も、ホッファー博士によってはじまった。私のクリニックでも、アルコール依存症の患者さんのアルコール離脱のために常に使用している。

さらに、アルコールだけでなく糖質への強い依存傾向がある患者さんの治療にもナイアシンを使用し、良好な改善傾向を得ている。

ただし、アルコール依存症と診断されている人は、自己判断でナイアシンを摂取せず、必ず医師の指導のもとでおこなうようにしてほしい。

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