健康的にお酒を楽しみ続けるにはどうすればいいか。医師の溝口徹さんは「同じ1杯でも飲み方によってはお酒のダメージを減らすことができる。そのためには、飲み始める前に3つの栄養素を摂ることが重要だ」という——。

※本稿は、溝口徹『お酒の「困った」を解消する最強の飲み方』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。

グラスに注がれているビール
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

同じ1杯でもこの飲み方で差がつく!

「病気にならずに、いくつになってもお酒を楽しみたい」

そんなわがまま(?)に本稿は少しでもお応えしようとしている。

なかには、「飲んだことを帳消しにすることはできますか?」「飲みすぎをなかったことにしたいのですが……」などと言う人もいる。お酒を飲んで気分よく酔っ払いたいけれども翌日には残したくない、というのが酒飲みに共通する願いだろう。

改めて言っておく。さすがに飲んでしまったアルコールをまったくなかったことにすることはできない。

しかし、いつまでもお酒を楽しみたいのであれば、飲み方や日頃の工夫、さらには積極な栄養補給によってその希望に近づけることは可能だ。

そこで本稿では、アルコール代謝によって需要が増える栄養素の積極的な摂取を中心とした、長くお酒を楽しむための一歩進んだ対策を紹介する。それが、栄養素で体の不調を改善するオーソモレキュラー療法(栄養療法)の強みである。

同時に、どのくらいの頻度で、どんなふうに飲んだらいいのか、具体的なお酒とのつきあい方についても紹介していこう。

もちろんアルコールの代謝には、酵素活性の遺伝子的素因などもあり、個人差が大きい。また飲酒習慣も、その長さや摂取量などによっても大きな差があるため、人によって効果のあらわれ方に違いがある。

それでも、これから紹介する飲み方を実践すれば、同じ1杯でも体への影響は確実に変わってくるはずだ。