「どんぶり」&「ワンプレート」志向へ

コメ離れにもかかわらず、起きていた米騒動。

それほどコメは食卓に欠かせないものなのでしょうか。2人以上世帯について朝・昼・晩の食卓実態を捕捉するパネル調査「インテージ キッチンダイアリー」から、主食の分類別・登場回数トレンドを確認しました。ここでは、1000食卓あたりの登場回数で、食卓に登場する頻度を見ています。

朝食ではパンの登場回数が1000食卓あたり700回ほどで300回強のご飯を圧倒しているものの、夕食ではご飯が800回ほどと大多数を占めています。

食事全体ではコメ離れが進んでいるものの、夕食ではコメを食べる人が多く、コメが日本人の生活に依然として根付いており、買えなくなるという不安を醸成したのではないでしょうか。

ご飯の登場回数の底堅さには、人気メニューの変化がありそうです。

【図表4】主食:分類別 食卓登場回数トレンド
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

メニューごとの登場回数トレンドを見ると、白ご飯が最も大きいものの減少傾向にあり、15年との比較で24年に32回減少しています。それに対して増加が見られたのは丼物で8回増。おにぎり、卵かけご飯なども増加していました。

白ご飯は、食を進めるのにおかずが必要となるため、より手軽に準備できるご飯メニューが人気となっていると考えられます。丼物はおかずの数だけではなく、洗う皿数を減らせるのも魅力なのでしょう。簡便需要を取り込んだことがご飯メニューの人気につながっていそうです。

【図表5】ご飯メニュー:登場回数トレンド
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

おにぎりから「海苔」が消えていた

メニュー自体だけではなく、メニューの作られ方も変化してきています。人気のご飯メニューの一つである「おにぎり」に着目して、材料使用率ランキングを確認しました。

【図表6】おにぎり:材料使用率ランキング(2024年)
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

24年に1位の海苔の使用率は51.6%と半数を超えてはいるものの、15年よりも10.4ポイント減少しています。

時系列で見ると、23年から24年にかけて5.1ポイントも落ち込みました。巻くことを手間に感じてしまったのか、海苔を使用しないことが次第に増えてきていました。

コンビニエンスストアでも海苔なしで具材を訴求する商品が増えてきているように感じますが、手間だけでなく足元の価格高騰が家庭のおにぎりでも海苔離れを加速させているようです。

一方、2位のふりかけ類は15年と比べて6.3ポイントも増加していました。簡便に使えてコスパの良い具材として人気なのでしょう。けん引していたのは、50代以下の年代で、60~70代の使用率は低かったです。

底堅く推移している3位の鮭フレークでも60~70代よりも50代以下の使用率が高いのに対して、9位の塩鮭は50代以下の使用率が低く、鮭を焼かずにそのまま具材に使える鮭フレークにシフトしているものと考えられます。