止まらない「コメ離れ」と令和の米騒動

近年、世間を騒がせた出来事としては、コメの価格高騰が挙げられます。

農林水産省によると、25年3月にはスーパーの店頭価格が前年の2倍を超えました。備蓄米の放出で一時的には若干の価格下落が見られていましたが、秋の新米の季節になっても価格の高止まりは続いていて、コメの高騰が落ち着く様相は見られておりません。

一方、食の欧米化でコメ離れが進んできたとも言われています。

コメ離れが進んでいるなら、高騰してもそれほど影響がないのではないでしょうか。

日本の食卓がどう変化してきたのかを見るため、全国の男女約5万人の生活者から買い物データを継続的に聴取している「インテージSCI」から、主食の購入金額構成比トレンドを確認しました。

コメの購入金額構成比は減少傾向にあり、22年には17.7%にまで落ち込みました。

簡便化志向が高まる中、手軽に準備できる菓子パン・調理パン、シリアル類、カップインスタント麺などが増加しています。

ところが、24年にコメの金額構成比が22.3%にまで急伸。店頭でコメを買えなくなる令和のコメ騒動が起き、価格が高騰したためです。

コメの販売金額が前年比179.9%に上ったワケ

コメの品薄状況を把握するため、スーパーマーケットにおける米の販売金額と販売された商品の種類数(以下「商品数」)の前年比を見てみましょう。

【図表2】主食:購入金額構成比トレンド
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

コメの販売金額は、南海トラフ地震の臨時情報が発表された24年8月5日週には前年比179.9%にまで伸長しました。

急激な販売の伸びに対して供給が追い付かず、品薄の指標となる商品数は9月9日週にかけて前年の半分近くの水準にまで減少。新米の流通が本格化したことで商品数は年末にかけて前年並みの水準まで回復したものの、価格の高止まりで販売金額は前年よりも1.5倍ほど高い状態が続きました。

【図表3】コメ:販売金額・商品数 前年比(2024年、スーパーマーケット)
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)