7.目標達成するタイプ:突然燃え尽きて無力感に支配され、スランプに

少数派ではあるものの、自己肯定感もチャレンジする気持ちも十分強く、決めたことは必ずやり遂げることができる人たちがいます。このタイプは経営者や管理職に就いている人たちに多く見られます。しかしこのいわば「エリート」たちが、いついかなるときでも目標達成できるかといえば、そんなことはありません。彼らのようにメンタルが強い人たちは、その強さゆえ、ブラックホールに落ちてしまうことがあるのです。

このタイプは何事も「できて当たり前」と考えがち。自分への期待値が高いので、たとえ弱っていても、それを認めようとせず、極端にストイックな生活を長く続けてしまう傾向があります。そのためある日突然燃え尽きて、無力感に支配されてしまう危険性が高いのです。

ブラックホールへの落下を防ぐには、定期的に質の高い休息をとること。日本では「休むこと=サボり」のような空気がありますが、長期にわたって心身の健康を維持するためには計画的に休む必要があります。私はこれを「戦略的回復」と呼んでいます。

女性は比較的こまめにストレスを発散するのが上手ですが、責任あるポジションにいる男性はこれが苦手なよう。

1人で日帰り旅行に行く、学生時代に住んでいた街をブラブラ歩くというような何気ないことで十分。「何をすれば自分は元気になるのか」を知っておくことで、ブラックホールを上手に避けて通ることができるでしょう。

忙しいビジネスマンは「死ぬまでに1度でいいから乗馬がしたい」などと言います。本人はそれがさも大変なことのように思っているのですが、そんなもの半日あればできます。死ぬまでに何度でもできるのです。それができないのは、時間がないからではなくて精神的にゆとりがないからです。スランプのときは思い切って休むことで、翌日からのパフォーマンスを上げることを考えましょう。

(構成=長山清子 撮影=武島 亨)
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