5.人生の器用貧乏タイプ:頭がよく、「できない理由」を思いついてしまう

自己肯定感は高いときもあれば低いときもある。一方、チャレンジする気持ちはとても低い。これがこのタイプの特徴です。受験戦争を勝ち抜いてきた人に多く、頭がいいのですが、それだけに現実が見えすぎるところがあります。自分を誰と比較するかによって、自分の価値が相対的に上下するので、自己肯定感が一定せず、精神的に不安定です。

アクティブで器用なので、さほど頑張らずともひと通りなんでもこなせるのですが、現実が見えすぎて大きなビジョンを描くのが苦手です。そのためチャレンジする気持ちに欠けるのが、目標達成できない要因です。

器用なのは決して悪いことではないのですが、1つのことを成し遂げられるのは、不器用なタイプであることが多いもの。不器用な人は「自分ができることはこれしかない」と追い込まれているので、困難なことが起きても投げ出さずに耐えるからです。惜しいかな、その必死さと粘りが器用貧乏タイプには足りません。

私の部下にもこのタイプがいます。私が「これをやろうよ」と言うと、頭がいいだけに、「それを達成できないもっともな理由」が思い浮かんで二の足を踏んでしまう。結局いつも私が強引に手を引っ張っていくことになります。

このタイプが目標を達成するには、これからの自分の3年計画(35歳以上の人なら10年計画)を作ってみることです。このタイプもほかのタイプと同様、遠くに目標を置いてそこへ向かって進んでいくことが苦手なのですが、計画を作ることでそれを補うことができます。器用貧乏タイプは頭がいいわりに、一時の感情や周りの意見で自分の人生を決めてしまうところがあるのですが、それをしないためにも計画表は有効です。もっとも、詳細すぎる計画表を作ってしまうとネガティブな要素に目が向くので、「なりたい自分」を個条書きにするくらいで十分でしょう。