ビットコイン技術で手軽に早く海外送金

【松田さん】それでも、以前と比べたら多少は改善されましたよ。いまは顧客データのフォーマットを統一し、瞬時に自動で送金・入金が完了するプロジェクトが世界規模で進んでいます。ただ、そうしたシステムの開発にはコストがかかり、手数料が安くなるって話はあまり聞かないですね。

【アワタニ】うへぇ、いま21世紀ですよ……。

【松田さん】日本の銀行は当日処理が原則不可ですし、中継銀行でもタイの銀行でも人物やお金の出所が怪しくないかの審査や追加確認があります。国ごとに金融の法律は異なり、銀行ごとにセキュリティーシステムも違うので時間がかかるんです。

【アワタニ】むむむ。

【松田さん】少額なら安くて速い方法はあるものの、貿易などでの大きい額は扱えません。でもビットコインの技術を使えば、銀行にお金を預けて依頼する手間や待つ時間はなし。大きな額の貿易でも私とタイの友人でも直接、自由にお金をやり取りできます。これは誰も成しえなかった発明だと。

【アワタニ】そうか、ビットコインの技術を使えば、何の縛りもなく自由にお金のやり取りができるんですね。

インターネットで、お金や価値を送れる

【松田さん】そうです。国際送金の話をすると、すぐ手数料や時間の話になるんですが、それって本質的な問題じゃなくて。金融機関を通さず誰もが自由に送金できる、言わば「価値のインターネット化」が最大のブレイクスルーなんですよ。

海外とのオンライン金融取引
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【アワタニ】価値の、インターネット化?

【松田さん】インターネットで、お金や価値を送れるようになったということです。もちろんインターネットでデータは送れるし、SNSでは双方向でやり取りもしていますが、それらはあくまで「情報」にかぎった話で。

【アワタニ】ん? えっと……、まず「価値を送る」がよくわからなくて。音楽や映画のデータも「価値あるもの」ですが、インターネットで送れますよ。

【松田さん】たとえば銀行で預金を引き出したら、通帳に記載される金額は減りますよね。でも音楽や映画のデータをインターネットで送る場合は、手元にもデータが残るじゃないですか。この違いです。お金や価値は「送ってもコピーできないし増えない(所有者が明確)」、情報は「無限にコピーできるし増やせる」と思っていただければ。ちなみに、お金や価値は、みんながほしがるけれど数がかぎられている意味で「希少性のある財産的価値」という言い方をします。