1BTC=約1900万円になった理由

【アワタニ】あ、インターネット上には電子データになったお金を狙うハッカーがうようよいて、そいつらからお金を守るために莫大なコストがかかる、ってことか!

【松田さん】そう、銀行の台帳をホストコンピュータに記録し、そのデジタル情報が盗まれたり改ざんされたりしないように、ものすごいコストをかけて二重三重に守りを固めています。このように手間やお金がかかる状況を、ビットコインが打破できるかも、と金融関係者が思ったんです。

【アワタニ】金融関係の人にとっては、革命級のインパクトだったんですね。

【松田さん】裏を返せば、口座振替より優れた方法を人類が600年以上ものあいだ誰一人思いつけず、ビットコインが初めて生み出したと。1BTC(ビットコイン)が1900万円近くなった根底には、産業革命レベルの発明だったことがあるんです。日本なら鎧武者だらけの戦国時代から不変だったやり方が変わるかもしれないわけですから。

ビットコインはノーベル賞以上の発明

【松田さん】ビットコインが産業革命級の発明なのは、遠隔地と「直接決済」できる点です。いちいち銀行に依頼して高い手数料を払い時間をかけなくて済む、と。

【アワタニ】でも、それって、よく考えたらネットで送れば一瞬ですよね。PayPayなら送金手数料も無料だし。

【松田さん】国内で相手も同じ電子マネーを使っていればそうですが、海外送金手数料は為替含め1万円前後、着金に1週間ほど見込んでおいたほうが無難です。

【アワタニ】ゲッ、なんすか、それ!

【松田さん】たとえば私がタイの友人に1000ドル送る場合、日本のメガバンクからタイの銀行に届くまで、口座振替できる銀行を探します。まず日本のメガバンクの本店、ダメならメガバンクの本店が口座を持つ米国のA銀行って感じで。逆にタイ側では、タイの銀行の本店、その本店が口座を持つ米国のB銀行に行きます。

その過程でお互いが口座を開いている銀行がない場合、最終的には米国の中央銀行(*3)にあるA銀行とB銀行との口座間で振替すると。その過程で銀行を経由するたびに手数料を払い、時間もかかるわけです。

【アワタニ】それって、ちょいちょいお金をこぼしながらバケツリレーするようなものじゃないですか。バカ高い手数料だけでなく、届くまで1週間って。海外にお金を送るのコスパ悪すぎです……。

*3 中央銀行
銀行の銀行。銀行間の決済は、おもに中央銀行の口座を通じて行う。通貨発行権を持ち、一般的に金融政策を通じて物価安定を目指す。