「女性向きの現場仕事」もあるはずなのに
一口に「現場仕事」と言っても、その種類は多岐にわたる。
もちろん、重い荷物を運んだり、長距離を移動したりと、体力を求められる仕事は男性の方が向いているだろう。しかし、例えば細かい手作業が求められたり、狭いスペースに入って作業をしたりする仕事は、逆に男性よりも女性のほうが向いている可能性はある。
特に東さんが従事している重機オペレーターの仕事は、重い荷物などを運ぶ必要はなく、重機の操作技術が要求される仕事だ。運転に慣れれば男女ともに活躍できるはずの職種だといえる。どの業界も働き手不足に悩んでいるが、建設業界も女性が活躍できるようになるための環境を整える必要があるだろう。
しかしながら、現場仕事のイメージの悪さや、東さんが挙げたような無視できない問題点があるのも事実。ゆえに、業界としてなかなか女性が入ってこないのが現状なのだ。
小池都知事に直談判し、課題が一歩前進
インフルエンサーとして「重機オペレーターの仕事の素晴らしさ」を発信している東さんは、数年前からこれらの問題に意識を向けていた。その解決策の一つとして、政治家や行政、大手企業とのディスカッションを定期的に行っているという。
「過去には、私を含めた女性の重機乗り数名で建機メーカーさんとの意見交換会に参加しました。また、昨年も、公明党の松葉多美子都議会議員や、小池百合子東京都知事に現場のトイレ問題についてお話をしにいきましたね」
このディスカッション後には、東京都の新規事業としてトイレ問題解決のために都の予算が出ることが正式に決定したという。3月27日に可決された「令和8年度東京都予算案の概要」を確認すると、「働く女性のための施設整備改善事業」として、2億円の新規予算がついていることがわかる。
何十億も予算が出るわけではない。限られた予算ではあるが、東さんや、同じ立場で働いている女性たちにとって大きな一歩となることは間違いない。
「小池さん含め、政治家の方にはこれまで何名かお会いさせていただきました。でも、今思えば数年前の重機フェスタで小泉進次郎さんに重機習字を披露したことが、いまの活動の原点になっているかもしれないですね(笑)」



