「ナイキ1強」を印象付けたエアマックス狩り
オジサン世代に「ナイキ一強」の印象を強く植え付けたのは、1996年頃に起きた「ナイキエアマックス95」の過熱ブームではないでしょうか。人気が高まりすぎて品薄状態が続き、ついには着用者から強奪するという「追いはぎ事件」(エアマックス狩り)まで起きました。
この90年代半ばのスニーカーブームは、エアクッションやゲルといった衝撃吸収材をソールに内蔵して、メカニカルなデザインのアッパーと組み合わせた「ハイテクスニーカー」が牽引したもので、ハイテクスニーカーブームと呼ばれました。エアマックス95やリーボックのインスタポンプフューリーなどがその代表商品となりました。
しかし、このハイテクスニーカーブームの寿命は短く、98~99年頃には完全に沈静化しました。
2000年代前半には、アディダスのスタンスミスやコンバースオールスター、ニューバランスなどのクラシカルなスニーカーやスケーター向けのスニーカーブームが訪れました。このブームは長く、2010年代半ばまで続きました。
2015年にバレンシアガがゴツいシルエットの「ダッドスニーカー(日曜日のお父さんが履くようなダサかわいいスニーカーという意味)」を提案すると、それが大ブームとなり、ちょうどシルエット的に似ていたかつての「ハイテクスニーカー」も再注目されるようになり、大いに盛り上がりました。
このように、「スニーカーブーム」は生まれては消えを繰り返してきたのです。
スニーカーブームは本当に終焉したのか
ところが、2023年になると、さまざまなメディアで突然「スニーカーブームは終わった」と報じられました。筆者は正直なところ、この報道に違和感を覚えました。体感的にはスニーカーという履物そのものの需要も着用者数もいささかも衰えていないと感じたからです。
実際は、冒頭で述べたようにスニーカーを含むスポーツシューズの売上高は23年度以降も拡大し続けていました。また、街行く人々や周囲の人を見てもスニーカー着用者は全く減っていなかったのです。
では各メディアで報道された「スニーカーブームが終わった」とは何だったのでしょうか?

