「3世代・3家族」総勢9人で移住

土居慶一郎さん(52歳)とひとみさん(44歳)夫妻は2014年、大阪府枚方ひらかた市から小4、小2、年長の子ども3人を連れて移住した。

飲食店の店長をしていた慶一郎さんには、家族の時間を増やしたいと切実な思いがあり、ひとみさんには夫の健康への不安があった。

田舎で暮らしたいと思い、『田舎暮らしの本』で豊後高田市を知り、移住者向けのツアーで国の重要文化的景観である田染荘たしぶのしょうの田園風景を見て一目惚れ、移住を決めた。

もともと、ひとみさんの両親も田舎暮らしを望んでいたこともあり、空き家バンクで敷地内に母屋と離れがある物件を見つけ、母屋に土居さん家族、離れにひとみさんの両親が住むことに。ひとみさんの両親は夫68歳、妻64歳で長年、住み慣れた大阪から豊後高田への移住となった。

豊後高田市で特徴的なのは、子育て世代に限らず、子育てを終えた60代以上のシニア世代も多いことだ。子を産まない世代でも歓迎してくれるのは、シニア世代にはありがたい。

ママ友はじめノーストレスな暮らし

「こっちの生活では車が必須なので、母は65歳で免許を取りました」

「ノーストレスで暮らしています」と、ひとみさん
撮影=プレジデントオンライン編集部
「ノーストレスで暮らしています」と、ひとみさん

ひとみさんは明るく笑う。夫の慶一郎さんは一人っ子だったゆえ、慶一郎さんの両親も「孫がいなくなって寂しい」と1年半後に追っかけ移住。今は便のいい、高田地区の中心部で暮らしている。こうして3世代・3家族、総勢9名で豊後高田市への移住となった。

「家族の時間を増やせたのが何よりです」と、慶一郎さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
「家族の時間を増やせたのが何よりです」と、慶一郎さん

土居さん夫婦は懇意にしていた唐揚げ屋の主人から店を任され、夫婦で観光名所「豊後高田昭和の町」で、テイクアウト中心の「からあげ壱気いっき」を経営。地元民からも観光客からもおいしいと評判の店となっている。

移住から12年、22歳の長女は大阪で就職し、長男は長崎の大学へ、高3の次男も卒業後は大阪の専門学校に入る予定だ。子どもが巣立つ寂しさはあるが、「移住して良かった」という思いは夫婦ともに変わりはない。

「子どもたちは友達に恵まれて、穏やかにのびのびと育つことができ、私もママ友はじめ、末永く付き合っていきたい人たちに出会えました。美しい景色と人のあたたかさに、ノーストレスで暮らしています。豊後高田に来て、本当によかったと思っています」

夫妻の溢れんばかりの屈託のない笑顔が、豊後高田での暮らしの全てを物語っていた。

土居夫妻が経営する、地元民からも観光客からも人気の「からあげ壱気」
撮影=プレジデントオンライン編集部
土居夫妻が経営する、地元民からも観光客からも人気の「からあげ壱気」