「地域の活力は人」というスローガンの真意
佐々木市長の手法は、担当者に「徹底して任せる」が基本だ。
「私は、民間企業にいた人間です。父親の建設会社を継いだのですが、学生時代、私も飯場で働きました。人夫たちは家に帰れば、誰もが一家のあるじなんですよ。だから職場で勝手に上下関係をつけちゃいけない。差別なく、人間は絶えず平等であらねばなりません」
そしてこれは、「市役所でも全く変わらない」と言う。
「私が人を選ぶのではなく、役所で働く彼らがリーダーを選ぶ。なにしろ民間企業で、これほどの人材を採用できる会社はありませんから。みな、すこぶる優秀です。ですから予算作成などもすべて、担当者に一任します。トップは基本的に、細かなことを言う必要はありません」
佐々木市長の「教育に隔たりがあってはならない」という理念と、就任以来掲げている、「地域の活力は人」というスローガンの根幹はこの思いにあるのだ。
「社会増」を成し遂げた豊後高田市
2024年、人口減少対策を議論する「人口戦略会議」の「消滅可能性自治体」に、豊後高田市は含まれなかった。
若年女性人口減少率は2014年調査のマイナス51.8%から、マイナス38.7%へと好転を遂げ、「消滅可能性自治体」から脱却。さらに大分県において、転入者から転出者を引いた「社会動態」が増加した5市1町に、豊後高田市も入っている。徹底した子育て支援策、移住・定住策で豊後高田市は、人口の「社会増」を成し遂げたのだ。
まさに「何もしなかったらどんどん衰退する」という佐々木市長の危機感からの、一大逆転劇だった。
そして今、さらに活気ある自治体作りのため、市は職員一丸となっての取り組みを続けている。それは、誰も取り残さない、誰もが住み良い町にほかならない。


