学歴至上主義を捨て去るのは難しい
学歴系YouTuberは、だれもがかつて熱中した受験という「ゲーム」の勝ち負けにあえて執着してみせ、「大学名は人生の切り札なのだ」と崇めようとしている。よく知られているように、彼らの正体は民間受験産業の「中の人」だ。つまり、危うくなりがちな大学ブランドの価値を、発行元が固守しようとする活動なのだ。
そうした学歴系YouTuberが、Z世代を中心に支持を得ている。これは若い世代でも団塊の世代の大卒層でも同じように、学校歴ランクに関する「正当な拠り所」を探し求めているためだ。
彼らが学校歴の細かな違いに狂奔する姿に、諧謔と自嘲の念を抱きつつも「出身大学名は大切だ」という学歴至上主義の階層観を、自身も完全に捨て去ることは難しい。学歴主義が、この国の文化として根付いていることを実感させる現象だ。
今求められているのは、「学歴の正体」そして「学校歴の実効性」を正しく理解し、固定観念にとらわれがちな自分を冷静に自己診断する柔軟さであろう。多様な人と出会う新年度、ぜひ肝に銘じておいてほしい。


