学校歴ランクは非公認かつ“目的外使用”
入試難易度には、東大、京大、早慶などの上位大学から、下はいわゆるFランク大学までの序列がある。評価が高く人気があるから難関校となるのか、入試が難関であるから上位校なのかは「卵が先か鶏が先か」であり判断が難しい。
けれどもそこに市場原理が働いている様子はなく、ただあるのは細かく序列化された入試の事前予想、いわゆるボーダーライン(模擬試験の偏差値の合格者中央値)という「指標」だ。情報の受け手は受験生、その親たち、そして高校の進路指導教員である。
これは各社が学年ごとに把握している模試の成績と、合否実績に基づいているので、デタラメなものではない。だが、不思議なことにまだデータがないはずの新設大学や新設学部にも、ボーダーライン偏差値が示されていたりする。
そして、このランキングは一般に安定していて、10年やそこらでは入れ替わらない。だが、大学側からみると、偏差値ランクによって序列を示し、毎年の入試問題の傾向をしきりに解説する民間受験産業は、公営ギャンブル場でレース情報を売る予想屋のようなものだ。
「入試難易度≒学校歴ランク」というルールは、制度として公認されたものではない。入試難易度はあくまで大学受験をサポートする目的で示されるものなので、これを社会人が出身大学の銘柄を誇るための基準とするのは、いわば“目的外使用”だ。
だから、「2026年度から東海大学と日本大学の順位が入れ替わりました」などとファクトチェックに基づいた情報が一般向けに公表され、人びとの共通認識が修正されることなどありえない。
②「難関大学入学=秀才の証し」ではない
大学入試自体も、この20年ほどの間に大きく変わった。総合型選抜、学校推薦などの、いわゆるAO入試もしくは年内入試と呼ばれる経路からの入学者は、今や半数を超えている。春先の一般選抜試験で複数の大学を受験し、結果によっては浪人をしたりするという、大人たちが慣れ親しんだ大学受験は、もはや典型経路ではないのだ。
その背景には、四年制大学への進学希望者の増加に合わせて、大学の定員の総数が増す一方で、18歳人口が少子化により漸減しているため、入試の競争性が低くなっていることがある。加えて文部科学省は選抜方法の多様化を奨励しているので、各大学は複数の入試枠組を用意せざるをえない。
この他に3年次編入、国際バカロレアや帰国子女の特別枠などもあるので、とにかく大学の入り方は様々で、「学歴ゲーム」のルールにはおおいにゆらぎが生じている。大学入学は受験競争の結果とは限らない、ということは肝に銘じておきたい。

