既存店を新業態に転換して生き残る
そして、バブル崩壊後には消費の低迷などに対応して、1992年に低価格業態のガストを出店、93年には720店のうち420店をガストに転換するという大規模な業態転換を実施した。その後、2009年にはすべてのすかいらーくを業態転換、この店名は消滅している。時代に合わせて既存店を新業態に転換して生き残るというのが、すかいらーくのDNAであり、コロナ後の転換の選択肢として選ばれたのが資さんであった、ということなのである。
すかいらーくのHPには、「特集『株式会社 資さん』の買収その狙いは?」というページがあり、ここをみてみると、すかいらーくの狙いが詳細かつ、わかりやすく書いてある(参考:図表2、図表3)。
低価格ニーズにぴったりだった
ざっくり言えば、数多くの店舗を運営するすかいらーくにおいては、時間の経過とともに陳腐化による不採算店が一定割合発生する。収益の悪化と減損損失の拡大を低減するためには、必ず業態転換を実施していかねばならない。成長余地がある資さんをグループに加えることで、資さんにとっての大きな出店余地=すかいらーくの業態転換が実現され、グループにとって大きなシナジーを生み出す、ということである。
ポジショニング図を見ればわかるが、ファミレス各業態が徐々に高価格帯へとシフトしつつあることに加え、実質賃金マイナスが続く国内での低価格ニーズに、ローカルチェーンとして鍛え抜かれた資さんがぴったりであったのである。
加えて、近年の建設価格の高騰も、資さんのグループにおける価値を大きくした。業態転換して成長できる資さんは、新店投資がかなり安く済むようなのだ。厨房施設をそのまま生かし、内装リニューアル中心で転換できる資さんはこのご時世、とても貴重な業態となった。その上、安く出せるのに店舗あたりの売上を稼ぐ力は既存店を上回っているという優れものなのである。


