すかいらーくが買収した北九州発のうどんチェーン「資さんうどん」が好調だ。流通アナリストの中井彰人さんは「実質賃金マイナスが続く国内での低価格ニーズに、ローカルチェーンとして鍛え抜かれた資さんがぴったりだった。加えて、単なるうどん店にはとどまらない役割を果たすことで売上を増やしている」という――。
資さんうどん 飲食店・資料
写真=共同通信社
「資さんうどん」の店舗=2024年9月6日、福岡市

地味なローカルうどんチェーンが全国銘柄に

最近、話題の外食チェーンといえば、北九州市発祥のうどんチェーン、資さんうどんは外せない銘柄のひとつだろう。北九州では昔からファンが多かったが、最近では大手外食チェーンすかいらーくのグループ入りをして、関東でも店舗を増やしており、その知名度は全国レベルになってきた。

SNSやメディアで話題になることも増え、出店すれば行列ができることでも有名だ。自分の生活圏にも少し前にオープンしたが、平日の昼時を過ぎても入店待ちで驚いた。2024年度売上は160億円であったが、2025年度は227億円(+42%増)と順調に成長基調に乗り、その勢いはまだまだ続きそうなのである。ちょっと前までは、地味なローカルうどんチェーンだったこの会社、なぜ全国区の成長銘柄に変身したのか。そのあたりを、ちょこっと深堀りしてみることにした。

トップシェア丸亀製麺との「違い」

うどんと言えば、さぬき風のこしのある麺と出汁のうまさで、丸亀製麺(トリドール)が全国を席巻して急成長し、うどん、そば業界では圧倒的なトップシェアを確立している。丸亀製麺はその味やメニューが評価されたことに加えて、郊外ロードサイドの広めの店舗にオープンキッチンタイプの調理場をつくり、その周囲に並び列を一周させて、店内で製麺しているところ、その場で揚げている天ぷらなど、すべて店内調理で提供するところを見せることによって、できたて感をアピールするモデルで成功した。

回転すしに共通するエンタメ性のアピールを集客エンジンとした丸亀は、人流の薄いロードサイド(その分店舗コストが安い)に人気店を作り出すことで、出店を加速し、861店、売上1281億円(2024年度)の一大チェーンを実現した。

それまでも、はなまるうどん、サガミチェーン、グルメ杵屋などが大手チェーンとして存在していたが、繁華街や商業施設内といった人流の濃い場所に出店することが前提となっていたため、店舗数にも店の大きさにも限界があり、売上も数百億円で頭打ちとなっていた。

丸亀は、ロードサイドという巨大な出店余地を開拓したことにより、圧倒的なトップシェアを実現することができたのである。その観点で言うと、資さんもクルマ社会の九州で多店舗展開し、ロードサイドに数多く店舗展開してきたチェーンであり、潜在的成長力は丸亀と同様といえる。

そうなると、丸亀とモロにバッティングしそうにも思えるのだが、そこはキッチリとした差別化ポイントを確立している。それは麺の違い、メニュー構成、営業時間であるようだ。