「ウチにいた子が『SKE48』に加入したんですよ」
このころ働いていた少女は、ビジュアル系バンドの追っかけをする“バンギャ”や、旧ジャニーズ事務所のタレントの追っかけをする“ジャニオタ”が大半を占めた。
某スカウトマンは、JKビジネス店が隆盛した背景について、ホストやスカウトマンのなかにバンギャやジャニオタと親和性の高い連中がおり、「ヤツらがバンギャやジャニオタを使ってひと儲けしようと考え増殖させたから」と加えた。
AKB商法を模倣しただけだったはずが、実際にアイドルの卵も働いていた。それは有名風俗ビル、名古屋「チサンマンション」の「女子高生無料休憩所」(のちに「なりきりアイドル」と屋号を変更)でのことだ。
同店に2013年春、はじめて足を踏み入れた。
店長らしき男から示された紙には「女子高生見学/30分3500円」「JK会員との毎日握手会/1人1分200円」「女子高生リフレ/30分3600円」と記されている。
システム表に偽りなし。6畳間に群れる少女たちをマジックミラーなしで「見学」し、「握手会」と称したふれあいで選び、別室へ移動してリフレを受ける。
帰り際、男が誇らしげに言った。
「ウチにいた15歳と17歳の子がふたり、『SKE48』(秋元康が総合プロデュースを手がけるAKB48グループのひとつ)に加入したんですよ」
JKビジネスに感じる罪悪感
取材を通じてこれらの事象を見続けてきた筆者は、ある意味、JKビジネスの「生みの親」でもあったことになる。
罪悪感――そんな言葉がギュウギュウと胸をしめつけ、悲しく、苦しい。開き直りではなく、むしろ、憐みを含む、懺悔に似た思い。
なにげない一言を引き金にはじまり、凶暴・凶悪化したJKビジネスに対して、少なからず罪の意識があるのだ。
かつて私は、ツイッター上にて、名指しではないが「あの人は経営者だからJKビジネスの取材に長けている」と、暗に揶揄されたことがある。
私からすれば、買わせているのも買う舞台を広めているのもお前――要は「マッチポンプ」だと言われているのに等しかった。
だがそれについては、ここで明確に否定しておく。私は、JKビジネスの、経営者でもスタッフでもない。




