歌舞伎町で「ぼったくりキャバクラ」が横行していた
2015年の5月に入っても歌舞伎町では依然、ぼったくりが横行していた。その様がマスコミに取り上げられ、「民事不介入」とする警察の対応の是非を問うなど社会問題になる。そこへ、ある噂が舞い込む。
(一斉摘発があるぞ!)
歌舞伎町をぼったくりキャバクラの摘発情報が駆け巡ったのである。2015年5月半ばのことだ。
そのタイミングで、一斉に正規店に鞍替え。名義人をクビにしてもとの代表に戻し多くは難を免れた。
同年8月に警視庁が「廃業した」と発表した28店は、単に名義人を替えただけだったのだろう。先の6月に東京都ぼったくり防止条例違反容疑で逮捕されたキャバクラ6店舗は、摘発情報を知らずか、知るもタカをくくったか、そのまま営業を続けていたことになる。
「マジ、バカだよね」
この事態を見続けていた藤田(編注:歌舞伎町で外販を生業にする40歳男性)が、次のように振り返る。
「歌舞伎町全体でやっていたシノギでした。あれほど街全体に広がった背景には、名義人などを用意するコーディネーターがいたのでは、と思います。摘発された6店については、みんな笑っていました。『マジ、バカだよね』って」
こうして警察の介入によりぼったくりキャバクラは衰退し、歌舞伎町は平穏を取り戻す――。
しかし、そうは問屋が卸さなかった。歌舞伎町で培ったこのスキームが、ヤクザ組織Fらにより東京・新橋、名古屋・栄、札幌・ススキノなどに転用されたのだ。
そして、ぼったくりの入り口となるキャッチたちの多くも、新たな漁場へと大移動する。
しかし外販は歌舞伎町にとどまり続けた。いま10グループ、約500人の外販がいるが、藤田は、直後にいまも続くホスト・バブルが到来したとし「それに伴走するようにして月100万くらいなら安定して稼げる外販・バブルも起きました」と当時の外販の状況を話した。

