国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」
時代は前後するが、外販史を語る上では、「ナチュラル」の存在についても記さなければならない。
ナチュラル、国内最大規模のスカウトグループである。彼らの名称は、好事家ならずともテレビ報道などでいちどは見聞きしたことがあるだろう。
そう、先の「改正風営法」が施行されて以降、ソープランドやヤクザとの関わりを問われての逮捕が相次いでいる、あの集団だ。
街で声をかけてスカウトした女性を、風俗店やキャバクラなどに違法に斡旋。東京、大阪、名古屋など全国で活動し、「スカウトバック」と呼ばれる紹介料を店側から得る。メンバー数は1000とも1500ともいわれている。
怒ったヤクザによる「ナチュラル潰し」に発展
そのナチュラルがX(旧ツイッター)を中心として一躍有名になったのは2022年6月。歌舞伎町に怒号が飛び交い、多数のヤクザがスカウトの男性を追いかけ回して暴行を加える「スカウト狩り」動画の流出だった。
事情をよく知るヤクザの男は「ナチュラルが同業のライバル会社のスカウトを次々と引き抜いたことが原因だった。ライバル会社が抗議をするも、聞く耳を持たず、ついにはライバル会社のケツ持ちとの話し合いに。
ナチュラルが『引き抜きはやめない』と楯突いたため、怒ったヤクザによる報復、つまりナチュラル潰しに発展した」と振り返る。
藤田は取材のなかで、このナチュラルの外販への流入を明かしていた。スカウト集団として悪名高いナチュラルだが、“スカウト”だけではなく“外販”も生業としていたのだ。
――ナチュラルが外販をはじめたのは、いつごろからなのか。
「バックの吊り上げ競争が起こった2013年ごろからです。時間帯が日の出から昼までの、朝ホストの女引きとして入ってきたのがはじまりです。知らない人間が立っていたので、仲間に聞いたら、『ナチュラルっていう会社のヤツら』で『“スカウト”と“外販”を同時にやってる』と」
――“兼業”は一般的なものなのか。
「ケツ持ちから『どっちもやっていいよ』と言われていたというから、かなり特殊です。通常なら、兼業するにしても、“スカウト”と“外販”とで、それぞれ別々のケツ持ちを用意しなければいけません」
――そうしたルールを無視してのこと。やはりトラブルになった。
「はい。聞けば、話し合いをしたが埒が明かない、と。既存の朝ホストの外販は、スカウトをメインとする組織Bがケツ持ちしていたので、なし崩し的に規律が破られたのでしょう」
