専門外の医者を受診しても意味がない

私は医者は職人だと思っています。

病院の看板やホームページをチェックしてみてください。内科と書かれていたとしても、そのほかに「循環器内科(血圧や心臓の病気などが専門)」「呼吸器内科(気道や肺など呼吸器が専門)」「消化器内科(胃や大腸など消化器が専門)」など、専門分野がこまかく分かれています。患者さんにわかりやすいように、「糖尿病内科」と掲げる病院もあります。

小さな病院やクリニックで一人の医者が診ている場合は、自分の専門を掲げているので、まずはそれをチェックしましょう。

なかには、複数の専門分野を掲げている病院もあります。それぞれの専門分野の医者が複数いる大きな病院は別ですが、医者が一人しかいない個人病院でたくさんの専門を掲げている場合は、得意分野がないということになりますから、あまりいい病院とは言えません。

基本的に、一人の医者が持つ得意分野は多くても2つか3つ程度です。

医者を選ぶときには、必ず専門分野をチェックしましょう。

参考までに、次にかかるべき専門分野を症状別に紹介しておきました。ただし、これらは目安なので、絶対ここでないといけない、ということではありません。

【図表1】症状別・選ぶべき専門分野
出典=『医療に殺されない 病院・医者の正しい選び方』
上記の症状から受診する診療科を選び、「○○科 専門医」のようなキーワードでインターネット検索しよう。院長などが「○○専門医」と紹介されている病院を選ぶことが大切。

紹介された病院にすぐに行かない

熱が出た、下痢をした、血圧・血糖値が高いなど、ふだんからかかりやすい、重篤でない病気や症状であれば、近くにある専門分野の医者に診てもらっていれば、大きな問題はないでしょう。

ただ、それらの症状が悪化して、命に関わったり、歩けないなど生活に大きな支障が出たときには注意が必要です。

それまで通っている医者は、精密検査が必要になったり、手術を受けるために、より大きな病院を紹介しますが、すすめられるがまま、その病院にすぐに行くのはやめたほうがいいと私は思います。

例えば、胃の調子が悪くて近所の消化器内科を受診して、「ガンの疑いがあるので○○病院を紹介します」などと言われたとしましょう。このような場合、紹介先として多いのはその近くにある大学病院などです。

もうひとつのケースは自分が卒業した大学の病院を紹介することです。母校に紹介するのは、紹介される側はもちろん紹介する側にもメリットがあるからです。

大学病院には、経験が未熟な若い医者もいます。彼らは自分の腕を磨くため、難しい検査や手術をする機会を待っています。もしあなたの手術が、未熟な医者でも問題ないと判断されると、勉強中の若い医者が担当する可能性があります。

大学病院を紹介されたときには、どの先生を紹介してくれるのか、医者の名前も確認するようにしましょう。そして、インターネットなどでその先生の経歴を調べて、それなりの経験を積んでいるかどうかをチェックします。