5 それでも総理になれる国、日本
最も重要な教訓は、時代を考慮しても、シラフでも酔ってもダメな人間が総理大臣になれたという事実である。これは「完璧でなくても、むしろ完璧にダメでも、能力と運があればなんとかなる」という、ある種の救いのメッセージとも読める。
総理になれたのは「目の前の席が空いたから」
実際、宮澤は総理になれるか、なれないかは「なりたくてなれるものではない。電車に乗っているときに目の前の席が空けば座るようなもの」と後年語っている。
結果的に「座席が空く」幸運に巡まれたが、酒席での振る舞いによっては「目の前の席」に座る機会はもっと早く訪れたかもしれない。
現代のビジネスパーソンには、宮澤のような「どっちに転んでも厄介」になることはお勧めしない。
しかし、「適量」という概念を持たない人間でも、それなりに生きていけるという事実は、完璧主義に疲れた現代人にとって、ある種の慰めになるかもしれない。水をかけられる覚悟は必要であるけれども。


