故国イギリスへは帰りたくなかった

幾つかの不運が重なって、アメリカの大学での連続講演は実現しませんでした。またイギリスの大学からも誘いがあったようですが、これにはハーンは躊躇を示しています。

「イングランドはもちろんだめです。あの『恐ろしく型にはまった国では、何ひとつ稼ぐ機会はありません。」

「イングランドの話はよいのですが、――しかしイングランドにはとても強力な私の敵がいることを、おそらくあなたはご存じではありません。メソジスト派の偉い牧師ヒュー・ブライス・ヒューズの姉妹であるミス・ヒューズという女性が、教育使節として当地に派遣されてきました。彼女の仕事の一つは、大学から私を追い出す陰謀を企てることだということが明らかになりました。」