AGEsがたるみやシワをつくる

弾力のある肌を構成しているのは、コラーゲンです。コラーゲンは三重らせん構造のタンパク質であり、コラーゲンそのものが糖化によって硬く変性してしまうと、弾力がなくなって肌のハリがなくなってきます。

また、複数のコラーゲンをエラスチンというタンパク質が橋かけしてつなぎ、クッション役を果たしています。このエラスチンが糖化してAGEsに置き換わると、クッションが効かなくなり弾力がなくなってしまうのですが、糖化の影響が進んでいくと、やがて肌がたるんでしまいます。

このように、皮膚を形成するタンパク質が糖化によって弾力を失い、たるみが生まれてくると、それが戻らなくなってシワをつくる原因になるのです。さらに、AGEsは黄褐色に変色するので、肌が黄ばんで透明感がなくなってきますし、シミの原因にもなります。

肌の色素をつくる細胞が、メラニンという色素をつくり、それを角化細胞という皮膚の大部分を占める細胞が吸収します。

その吸収したメラニンを細胞内部の核の上に被せて「メラニンキャップ」という防御構造が形成されるのですが、このメラニンの帽子が細胞核を紫外線の酸化ストレスから守る役割を果たしているのです。

しかし、微小な粒子構造をしているメラニンが、糖化によって凝集して大きくなってしまうと、それがシミの原因になります。メラニンキャップが糖化し、防御機能が低下すると、紫外線の酸化ストレスによって遺伝子が損傷しやすくなるため、皮膚がんの発生リスクも上がってしまうのです。

糖化ケラチンの影響で乾燥肌に

また、皮膚の表面を守っているのは、ケラチンというタンパク質です。ケラチンは、体の表面を覆っているタンパク質で、髪の毛や爪などもケラチンで保護されており、免疫システムの一翼を担う役割も果たしています。

糖と脂で体は壊れる 疲労、病気、老化の原因「糖化」の正体
米井嘉一『糖と脂で体は壊れる 疲労、病気、老化の原因「糖化」の正体』(池田書店)

しかし、このケラチンもほかのタンパク質と同じく、糖化ストレスの影響を受けるリスクがあります。ケラチンが変性して「糖化ケラチン」になると、皮膚の表面に常在する黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増え、逆に肌にポジティブな効果をもたらしてくれる「美肌菌」が減ってしまうのです。

悪玉菌が増えると、たるんだシワの内側や首、脇の下、足の間といった肌のポケットに「バイオフィルム」というネバネバした薄い膜が形成されるようになります。このバイオフィルムが保護ドームのような役割を果たす形になり、その内部で悪玉菌が増殖してしまうのです。

しかも、このバイオフィルムも糖化産物なので、本来の免疫機能を果たさない偽物です。糖化ケラチンが増えていくと、外からの侵入を阻止するブロック機能が低下するため、感染症などにかかりやすくなってしまいます。

また、ケラチンは、外側からの異物の侵入をブロックするだけでなく、内側からの水分の蒸発を抑える役割も果たしています。そのため、糖化ケラチンが増えていくと、肌が乾燥しやすくなってしまいます。

肌が乾くと異物が入ってきやすくなり、アレルギー反応を起こすリスクも上昇。そのため、乾燥肌が、アトピー性皮膚炎を生み出すきっかけになるともいわれています。そして、実はその原因に糖化がある可能性もあるのです。

(イラストレーション=平松 慶)
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