「散策」の受け皿となったログロード代官山
駅の北側に、もうひとつのにぎわいスポットがある。かつて東横線の電車が走っていた線路跡地を活用した「ログロード代官山」には街歩きを楽しむ人の姿が多かった。
豊かな緑に囲まれた細長い敷地に飲食店やアパレルショップが連なり、恵比寿や渋谷方面から徒歩でたどり着く人の姿もあった。代官山が長年培ってきた「散策の街」としての魅力を、ログロードが担っているように見えた。
にぎわいの周縁化が起きている
街を俯瞰すると、興味深い構造が見えてくる。恵比寿や渋谷方面から歩いてきた来街者は、ログロードやT-SITEで時間を過ごし、そのまま満足して帰路につく。駅前まで戻る前に、代官山での時間が完結してしまう。
街歩きの目的地としては機能しているのに、その消費が駅前にまで届いていないとすれば、商業的な恩恵が循環しにくい構造になっているのかもしれない。
「代官山がガラガラ」という言葉は、ある意味で正しく、ある意味で正しくない。街全体が廃れているのではない。にぎわいの重心が駅前という本来もっとも活気があるべき場所から、周辺部にある目的地となりうる施設へと移動しているのだ。
駅前の空きテナントは、その変化をひっそりと物語っている。地価が10年で2倍になり、ECに物販需要を奪われ、急行も停まらない駅前に、かつてのような求心力を取り戻すことは容易ではない。


