天皇陛下が愛子さまに言及する時必ず使う表現
どれだけの人が気づいているだろうか。じつは、天皇陛下は即位されて初めて天皇誕生日を迎えられた令和2年(2020年)以来、記者会見で敬宮殿下に言及される時は、欠かさずに(!)「感謝と思いやり」の大切さについて、同様の表現を繰り返してこられている。
その間に、敬宮殿下がご成年にあたっての「ご感想」を発表された(令和3年[2021年]12月1日)。
その中に、陛下への“密かなアンサー”とも言える以下の一節があった。
「日頃から思いやりと感謝の気持ちを忘れず、小さな喜びを大切にしながら自分を磨き、人の役に立つことのできる大人に成長できますよう、一歩一歩進んでまいりたいと思います」
この一文から、天皇陛下が伝えようとされる「思いやりと感謝の気持ち」の大切さを、敬宮殿下が真正面から受け止めておられることが、はっきりと分かる。
では、天皇陛下が即位される前の平成時代はどうだったか。
雅子さまが強調した「感謝と思いやりの気持ち」
平成29年(2017年)以降、皇后陛下が途切れることなく、敬宮殿下に向けて「感謝と思いやりの気持ち」の大切さについて、繰り返し述べておられた。当時は皇太子妃として、この年に次のようにおっしゃったのが、最初だった。
「愛子は……先日、16才の誕生日を迎えたところですが、今後とも、感謝と思いやりの気持ちを大切にしながら、様々な経験を積み重ね、更に成長していってほしいと願っております」
では、この平成29年が起点となった理由は何か。この年に何があったのか。
この年には、皇后陛下の「ご感想」の発表に先立って、敬宮殿下が学習院女子中等科の修学旅行で広島を訪れられたご感想を「世界の平和を願って」という作文にまとめておられた。この作文のキーワードが、まさに“感謝”と“思いやり”だった。
「何気なく見た青い空。しかし、空が青いのは当たり前ではない。毎日不自由なく生活できること、争いごとなく安心して暮らせることも、当たり前だと思ってはいけない。なぜなら、戦時中の人々は、それが当たり前にできなかったのだから。日常の生活の一つひとつ、他の人からの親切の一つひとつに感謝し、他の人を思いやるところから、『平和』は始まるのではないだろうか」(『学習院女子中等科卒業記念文集』平成29年[2017年])
ここに、平和の原点として「感謝」と「思いやり」という言葉が、そろって出てくる。

