天皇・皇后両陛下が受け止めた愛子さまの“気づき”

時系列としては、皇后陛下のご感想よりも敬宮殿下の作文の方が先だ。そこから拝察すると、おそらく皇后陛下は敬宮殿下の作文から、敬宮殿下が感謝と思いやりの大切さを自らお気づきになった事実を、お知りになった。その上で、その気持ちを忘れずに、今後も持ち続けてほしいと願われて、以後、毎年のご感想の中で繰り返しそれを述べてこられたのだろう。

それはもちろん、天皇陛下も同じお気持ちだったはずだ。

こうして、平成時代には皇后陛下が皇太子妃としてのお立場で、令和に移ってからは天皇陛下ご自身が、中学生だった敬宮殿下が自覚的につかまれた「感謝と思いやり」の気持ちを、「今後とも」「引き続き」大切にし続けるように、あえて公的な場での“おことば”としても、丁寧に繰り返してこられたのだろう。

改めて言うまでもなく、この「感謝と思いやり」は、1人の人間としても、皇族としても、あるいは将来の天皇としても、この上なく重要な心の持ち方にほかならない。

敬宮殿下はそれを、言葉の上だけの綺麗事ではなく、深く身につけておられる。そのことは、これまでの殿下のなさりようが、揺るぎなく証明している。

大阪・関西万博で愛子さまが見せた心配り

一例として、昨年5月に大阪・関西万博にお出ましになった時のできごとを振り返ってみよう。

この時は雨が降っていたので、敬宮殿下は傘をさしておられた。その傘を受け取ろうと係の職員が手を伸ばした場面でのやり取りは、目を見張るものがあった。

とっさに相手が受け取りやすいようにご自分の手の位置をスッと上にずらして、それまで握っておられた中棒の手元の部分から渡そうとされたのだ。

しかもご移動の途中なのに、しっかりと相手の顔をご覧になり、受け取ってもらうことへの感謝から、嬉しそうな表情をされ、さらに笑顔で軽く頭を下げる所作までなさった。ほんの一瞬の、自然な流れの中でのできごとだった。しかし、その場で作為的にしようと思っても、このような振る舞いはできない。(2025年5月15日公開 雨の大阪万博で愛子さまは即座に傘を持ち替えた…皇室研究家が確信した「国民統合の象徴」に近い存在感 参照)

まさに「感謝と思いやり」が身についておられればこそだろう。