会社の会議ほど無駄なものはない

【橘】また、フリーエージェントになれば、雑用仕事からも解放されるので自由な時間が増えます。その結果、やるべきことに集中できて専門性が身につけやすくなります。

【大橋】それはどういうことでしょう?

【橘】日本の企業では、部門間の「すり合わせ」によって業務が進められるため、会議に費やされる時間が多くなりがちです。資料作成や会議のための会議などにも時間を取られ、勤務時間の大半がこうした雑務に費やされてしまい、自分の仕事をこなすために勤務時間外に残業をするか、あるいは休日に自宅で対応せざるを得ない人も少なくありません。

【大橋】たしかに、会議の参加者の予定を合わせるだけで半日かかることもあります。

あと、4時間くらいの会議もあったりします。

【橘】それにもかかわらず、「会議ばかりで自由な時間が全然ないんですよ」とぼやくサラリーマンの表情は、どこか誇らしげです。

それは、予定で埋め尽くされたスケジュールが、「自分はこんなにも必要とされている」という安心感を与えてくれるからではないでしょうか。

【大橋】たしかに無駄な会議でも、それが終わると、少しだけ達成感のようなものを感じるんですよね……。

橘玲が年間100日以上、海外旅行に行けるワケ

【橘】とはいえ、いくら会社の会議に出ても専門性は磨かれません。

そこでもし、大橋さんがフリーエージェントになり、無駄な会議や雑用仕事から解放され、自由になった時間をすべて専門性を高めることに投入したらどうでしょう。

仮にライバルが大橋さんより優秀だとしても、何年か経つうちに、つぎ込む時間が全く違うので、相手は大橋さんの専門知識に太刀打ちできなくなってしまうのではないでしょうか。

【大橋】ああ、なるほど。

フリーエージェントになって、会社で雑用に使っていた時間を、スキルアップに使えば、専門性が磨かれて、報酬も上がるということですね。

【橘】そうです。私は独立してから、1年の3分の1を海外旅行に行っていました。

「なぜそんなことができるのか?」

とよく聞かれましたが、通勤と会議で無駄にしていた時間を合計すると、サラリーマン時代と同じくらい働いても、3カ月の「休暇」が取れるのです。

【大橋】通勤とか、無駄な会議とか、飲み会とか、何も生産していない時間をなくすことができれば、仕事時間の3分の1も自由な時間が増えるってことですか……。

逆に言うとかなりの時間を無駄にしてるってことですね……。

【橘】そうです。フリーエージェントになれば、その時間で、専門性が磨けるということです(図表1)。