豊かな老後を過ごすには、どうすればいいのか。作家の橘玲さんは「ファイナンシャルプランナーの試算では、60歳で定年退職した場合、年金とは別に5000万円もの金融資産が必要になる。だが、無理に大金を貯めなくても老後の不安が一気に解決する方法がある」という――。

※本稿は、橘玲、大橋弘祐『難しいことはわかりませんが、1億円貯める方法を教えてください!』(文響社)の一部を再編集したものです。

デッキチェアで乾杯するカップル
写真=iStock.com/courtneyk
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どの職場にも「モンスター社員」がいる

【大橋】日本の会社員は、専門性が磨かれず、できない仕事を割り当てられるので、うつ病になりすいってことですか……。

【橘】はい。しかしながら「フリーエージェント」という働き方なら、不向きな仕事をやらされずに済むだけでなく、いやな人間関係は自分の意思で切り捨てることができますから、精神的な負担は大きく減ります。

これは私の肌感覚ですが、職場には5%程度モンスターがいると思います。

フリーエージェント
会社などの組織に所属しない働き方。自分の仕事や一緒に働く相手、働く時間や場所を自分の責任で選ぶ。

【大橋】それはなんとなくわかります。うちの会社にもヤバイ上司がいますね……。

社員が作った資料を「あほかー‼」と空中に投げる管理職がいました。

【橘】会社員の大橋さんは、そのモンスター上司の直属の部下に配属されたら、それを耐えしのぐしかありません。仮に大橋さんが営業職だとして、割り当てられたクライアントがモンスター担当者だった場合も同じです。

離婚より「日々の通勤」のほうが幸福度↓

【橘】ところが、フリーエージェントになれば、上司はいませんし、いやな取引先だったら、仕事を受けなければいいだけです。煩わしい人間関係から解放されるのです。

わたしたちの悩みは、お金、健康、人間関係です。家族を選ぶことはできないとしても、仕事の人間関係を選択できるようになるだけで幸福度は劇的に上がるでしょう。

【大橋】パワハラにあって、会社を休んでいるという人は、僕のまわりでも何人か聞きますからね……。

でも、本当に会社を辞めたら、それはそれで競争が激しそうだし、職場に多少いやな人がいても、我慢して働いたほうがいいような気がします。

【橘】そうとも言えません。

幸福度の研究では、愛する家族を亡くしたり失恋や離婚で落ち込んだりするより、日々の通勤のほうが幸福度を下げるそうです。

どれほどつらい出来事でも「1回限り」であれば、いずれ幸福度は元に戻ります。

それに対し、「終わりの見えない嫌なこと」は、気持ちを切り替えることができないのです。

その証拠に、日本でも世界でも、自営業のほうが幸福度も高いという調査結果が出ています。