本当のお金持ちの生活とは、どのようなものか。作家の橘玲さんは「いま、世界的な潮流としてギラギラしたお金持ちはダサいと言われている。新しい上流階級の間では、『BOBOS(ボボズ)』という生き方が注目を集めている」という――。

※本稿は、橘玲、大橋弘祐『難しいことはわかりませんが、1億円貯める方法を教えてください!』(文響社)の一部を再編集したものです。

マーク・ザッカーバーグ F8 2018 基調講演
マーク・ザッカーバーグ F8 2018 基調講演(写真=Anthony Quintano/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons

ギラギラしたお金持ちはもうダサい

【大橋】橘先生、単刀直入にお伺いします。

お金持ちになる方法を教えてください。

【橘】私の知っていることでよければお話しします。

絶対とは言いませんが、ほとんどの人がお金持ちになる方法はあります。

【大橋】ベンチャー企業を興して、上場させるとか、株で大きくぶち当てるとか、そういうのではなく、誰でもできるやつで教えてください。

【橘】もちろんです。

【大橋】本当ですか? お願いします! ぜひ教えてください!

【橘】では、最初に聞きます。大橋さんはなぜ、お金持ちになりたいのですか?

【大橋】なぜって、お金持ちがいいに決まってるじゃないですか。だって、お金があればいいマンションに住めるし、いい車に乗れるじゃないですか……?

【橘】少し古いですね。

【大橋】古いんですか……。

【橘】はい。はっきり言うならダサいですね。

【大橋】……。

【橘】いま、世界的な潮流としてギラギラしたお金持ちはダサいと言われています。

大橋さんはBOBOSという言葉を知っていますか?

【大橋】いや、知らないです……。

億万長者ほど質素な生活をしているワケ

【橘】「ボボズ」とは、「ブルジョア(Bourgeois)」と「ボヘミアン(Bohemians)」を組み合わせた造語で、経済的にはそれなりに裕福でありながら、世間の常識やしがらみにとらわれず、自らの価値観を重視するような生き方をしている人々です。

ボボズはお金があっても、カジュアルでいることを好みます。アルマーニを着て三ッ星レストランに行くよりも、ユニクロを着て近所のビストロに行って夫婦でおいしいワインを飲むとか、豪華クルーズよりも子どもたちと山に登って自然に触れるほうがぜいたくだよね、という価値観です。

【大橋】ミニマリストみたいなもんですかね?

【橘】ミニマリストやスティーブ・ジョブズのノームコア(※)も、ボボズの影響を大きく受けています。

また、私が大きな影響を受けたトマス・J・スタンリーの著書『The Millionaire Next Door(となりの億万長者)』では、アメリカの資産1億円以上のお金持ち(ミリオネア)を対象に調査をした結果、お金持ちは中古物件に住み、コストコのようなディスカウントストアでクーポンで買い物をして、靴やカバンは修理して使い、余暇は子供のスポーツ観戦を楽しんでいる、と記されています。

実際、マーク・ザッカーバーグはホンダの車に乗っていましたし、イーロン・マスクも普段は750ドルのプレハブに住んでいます。

※ノームコアとは派手さや個性を主張するのではなく、清潔感や自然体を重視するファッションのこと。スティーブ・ジョブズの黒いタートルネックとジーンズの組み合わせが代表例としてよく挙げられる。