タバコで「ストレスが解消した」は大間違い
ニコチンは脳の血流を悪化させ、脳そのものをダメにします。また、あらゆる病気を引き起こし、全身とつながっている脳に結果的に大きなダメージを与えます。
喫煙者の副流煙は、周囲の人にも害を及ぼします。脳の働きについて考えているような意識が高いあなたなら、タバコを吸うという選択はなしです。
それでもタバコをやめない人の多くが、「禁煙したらかえってストレスが溜まって健康に良くない」と言い訳をします。
しかし、このときのストレスは、「タバコを吸えない」ことによって引き起こされています。タバコを吸えないからイライラし、「吸いたくてたまらない」という渇望に襲われているわけです。
一方で、非喫煙者は、そのような状態にはなりません。つまり、喫煙者は単純にニコチン依存症に陥っているのであり、タバコを吸ったことで「ストレスが解消した」というのは、まったくの勘違いなのです。
これは、すぐに甘いものを食べたり、炭水化物をドカ食いしたりしている糖質依存症と根っこは同じです。ただ、禁煙外来で治療を受けられるという点で、糖質依存症よりもニコチン依存症は有利かもしれません。
ニコチン依存症から脱出するための最良・最短の方法は、医療機関の禁煙外来を受診すること。今は良い薬がありますから、それを処方してもらって、とっととタバコを手放しましょう。
自分の意思で何とかしようとして失敗するたびに落ち込んでいては、自己肯定感まで低くなってしまいます。
脳を大事にしたいなら耳を大事にする
2017年に最初の発表があり、2020年にその内容が更新された、ロンドン大学のギル・リビングストン教授による有名な論文があります。
その研究では、認知症を引き起こすいくつかの危険因子を明らかにしているのですが、なかでも大きなリスクとして注目されたのが「難聴」です。
ここで言う難聴とは、生まれながらに聴力が低い人たちのケースではなく、加齢によって徐々に聴力が落ちていくものを指しています。
加齢性難聴が認知症につながる原因は、2つ考えられます。
ひとつが、脳への刺激の減少です。
年齢を重ねれば、誰でも多少は聴力は落ちますが、その落ち方が大きいと、これまで耳から入っていた音情報が減ってしまいます。すると、神経回路の活動が減り、最終的には脳が萎縮していくと考えられます。
もうひとつ、聞こえにくい音を必死に聞こうとすることで、脳の能力がそちらに使われ認知機能が落ちていくという説が、近年、非常に有力視されています。
いずれにしても、加齢性難聴が脳を老化させることは、間違いありません。
聴力に不安を感じたら、耳鼻科で相談し、早い時期から迷いなく補聴器を使いましょう。それが、脳を守るための最良の対応です。

