――高市政権の対米政策をどう思いますか。
3月19日の日米首脳会談は高市首相にとって、実に手ごわいものだった。日本側の当初の狙いは、3月末から4月初めに予定されていた米中会談を前に対米投資について協議し、日米同盟を再確認することだった。
だが、イラン戦争の勃発で情勢が緊迫。トランプ大統領は日米首脳会談の数日前、日韓や欧州の同盟国を名指しし、ホルムズ海峡を防衛すべきだと非難。トランプ節をさく裂させた。
そんなストレスの多い状況下で、高市首相は会談をうまく乗り切った。日本は、実に抜け目のない対トランプ外交を展開してきた。
安倍晋三元首相がトランプ大統領との関係で築いたものは、個人的な親交にとどまらない。最大の功績の一つは、勤勉で誠実だという日本人の国民性を大統領に知らしめたことだ。10年前に出馬した頃と比べると、トランプ大統領の日本人観は大きく変わった。
――米ニューヨーク・タイムズ(3月20日付)の取材に対し、あなたは「同盟国が完全に責任を免れるかどうかはわからない」と答えていますね。
同盟国にとって、ホルムズ海峡問題は試練の場だ。トランプ大統領は同盟国への批判を再燃させた。こうして相手の「急所」を見極めるべく威圧的な態度を取って探りを入れ、一転して妥協するのが彼の交渉スタイルだ。
防衛費の増額など、米国と同盟国の「負担の分担」を求める交渉では、やや高圧的な口調が続くだろう。
そうした、強い発言と実際の政策が一致しそうな局面は2つ。まず、戦争終結後のホルムズ海峡だ。米政府は日本をはじめとする同盟国に、機雷掃海など、主体的な役割を期待するだろう。
次に、在日米軍駐留経費の協議だ。「米国は日本を守っているのに、日本は何もしない」といったレトリックが飛び交うと予想する。まさに、日本の防衛政策の真価が問われる正念場だ。
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