銃規制、人工妊娠中絶、気候変動……対立の背景にあるものは根深い。世論調査は、「赤い州」と「青い州」の間に深い溝があることを示唆する。GDP世界1位を誇る大国はこのまま真っ二つに分かれてしまうのか――。

米国の分断が加速している。米保守活動家チャーリー・カーク氏が演説中に銃撃された事件など、政治暴力の脅威も身近に迫る。

そうした今、米国の著名な社会学者でカリフォルニア大学バークレー校の名誉教授、A・R・ホックシールド氏は分断に歯止めをかけるべく、ある提案をする。それは、人々が理性を働かせるだけでなく、他者の感情にも耳を傾ける「バイリンガル」になることだ。

感情社会学の先駆者として知られる同教授は、ベストセラー『壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き』(布施由紀子・訳、岩波書店)の著者でもある。新刊の『Stolen Pride: Loss, Shame, and the Rise of the Right』(仮題『盗まれたプライド:喪失、恥、そして右派の台頭』未邦訳)も話題になった。