“資源高”に抗えない欧州と日本

米国とイスラエルから空爆を受けたイランが、ホルムズ海峡を封鎖した。その結果、世界の原油価格やガス価格は急騰を余儀なくされている。イランにホルムズ海峡を長期にわたって封鎖する体力はないため、事態はそのうち、収束に向かうと考えられる。エネルギー高の影響も軽微にとどまると期待されるが、一方で、長期化のリスクもある。

衆院予算委員会で挙手する高市早苗首相(右)と片山さつき財務相=2026年3月2日、国会内
写真=時事通信フォト
衆院予算委員会で挙手する高市早苗首相(右)と片山さつき財務相=2026年3月2日、国会内

長期化のリスクに鑑みたとき、欧州と日本はそれぞれ、大きな課題に直面する。欧州の場合、エネルギーの脱ロシア化を本当に今後も進めるのかという経済安全保障戦略の再考が求められる。より大胆に言えば、ロシアとの関係をこのまま大きな亀裂が入ったままにしていていいのかということだ。ウクライナを見捨てろと言うわけではない。

米国にロシアとウクライナの停戦協議の仲介役を期待するのはもう無理だろう。ロシアとウクライナを停戦に誘導するために、EUにはより主体的な行動が求められる。同時に、欧州はロシアとの関係の改善を模索する必要がある。この点に関しては、欧州の実質的なリーダーであるフランスのエマニュエル・マクロン大統領も認めるところだ。

「脱ロシア」の欧州、「円安放置」の日本

そもそも欧州には、1970年代の中東発のエネルギーショックを経て、エネルギー調達の多様化を図る観点からロシア(当時の旧ソ連)に接近した経緯がある。友好関係が維持されていれば、地理的に最も近い産油国であるロシアからエネルギーを調達することは経済的には合理的な判断だった。結局はその道を、欧州は自ら放棄したわけだ。

仮にロシアとの関係を上手くマネジメントできていれば、欧州はロシア発のエネルギーショックの悪影響を、あれほど強く被ることはなかっただろう。今回のイラン発のショックを受けても、エネルギー価格の上昇は抑制されたはずだ。言い換えれば、欧州は一段のエネルギー高を受け入れてまでエネルギーの脱ロシア化を進めるのだろうか。