スポンサーは日本企業ばかり
こうしてみると、WBCは、オリンピックやサッカーのワールドカップに肩を並べる国際大会へと成長していくように思える。
しかしながらWBCは多くの問題点を抱えている。
一つは「日本偏重」「大谷偏重」だ。
アメリカでも2023年のWBCは多くのファンに視聴され、注目度は高かった。しかしアメリカでは野球そのものが、アメリカンフットボール、バスケットボール、サッカーに次いで4番人気のスポーツとされる。その割には注目を集めた、という評価だったのだ。
WBCの盛り上がりは圧倒的に日本なのだ。
WBCの主催者はMLBとMLB選手会が出資するWBCIだ。スポンサーもWBCIが一手に獲得しているが、WBCのスポンサーの多くは日本企業なのだ。そのスポンサー費の大半はアメリカ側に入るとされる。もちろんネットフリックスもそれがあって巨費を投じて日本での放映権を獲得したわけだ。
当初から、日本側には「スポンサーの大部分が日本企業なのに、日本の分配金が少なすぎる」という不満の声が大きかった。
大谷翔平特需の「次」がない
その上に、日本での空前のWBC人気は、ほとんどが大谷翔平人気ということがある。今プラチナチケット化しているのは、大谷翔平が出場する試合だけだ。
昨年の段階では「連覇を目指すドジャースは、大谷翔平の出場を許可しないのではないか?」という憶測があった。それは杞憂に終わり、大谷は出場したが投手としての出場は封印されている。
極端に言えば、今回の空前のWBC人気は大谷翔平ただ一人が担っているといっても良いのだ。これは極めて危うい状況だといって良い。
大谷翔平は今年7月5日に32歳になる。MLB選手の平均年齢29歳をすでに上回っている。彼がいつまで超一流のパフォーマンスを維持できるかは誰にもわからない。
2028年のロサンゼルス・オリンピックでは、自国開催のためMLB選手の参加が有力視されている。そこでも34歳になる大谷が日本代表として出場し、他の国も一流選手を擁して金メダルを争うような展開になれば、野球は大盛り上がりするだろう。
しかしながら「その次は?」「大谷翔平の次は?」の問いに対する答えは残念ながら「ノープラン」だといって良い。
今、日本の地上波テレビでは、大谷翔平の顔を見ない日はない。多くの企業が大谷をアイキャッチにして商品の売り上げを伸ばしている。大谷人気はマーケティングの世界でも「独り勝ち」だといって良い。侍ジャパン、そして日本野球は「大谷翔平特需」に乗っかる形で、ビジネスを巨大化させてきた。だが、それ以外のビジネスモデルを打ち立てることはできないままだ。
